内容説明
ある日、公園で運命の出逢いをしたデブ猫の「御子神さん」と共に、ねこカフェならぬ“ねこタクシー”を始めた間瀬垣勤。それまでの最下位が嘘だったかのように売り上げ成績を伸ばしていた。御子神さんとの共同作業で、様々なお客さんとの交流もでき、それまで仕事に対しても家族に対しても自信のなかった間瀬垣は、前向きになり家族からの信頼も日に日に得ていた。しかし、いいことばかりは続かない。急に成績を伸ばしたことから、成績の最下位争いをしていた同僚の女性運転手から不審な目で見られ、さらにはある日乗せたお客さんが“ねこタクシー”をブログに書いたことから、騒動になってしまう。会社で犯人捜しが始まり、さらには保健所から調査が入ってしまう。どうなる御子神さん、どうする間瀬垣……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
209
おじさんの成長記。雄三毛の老猫御子神さんとの出逢いが、対人恐怖症気味の主人公間瀬垣勤の生活を改善する。と言うか好転して行くのね( ¨̮ )。ただ、ねこを乗せて営業するってのは法律的に(そして道義上も)問題があって。下巻はその闘い(?)でしょうか。本人の努力と周り支えで解決するも、最後がね(´•ω•̥`)。ラストを書き過ぎるのも野暮だとは思いますが、後押ししてくれた所長や、元凶となってしまったかもだけど丹羽さん、意志を引き継いでいたら良いなぁと思うんだけど……2022/05/19
kaizen@名古屋de朝活読書会
136
猫の御子神さんとの出会いから,人間らしさを取り戻すタクシー運転手。映像作品を先に見たので、話の隅々でカニング竹山の像が浮かぶ。猫はのっそり,運転手ものっそり。猫を載せてのタクシー営業の許可。解説は佐藤二朗。上・下別々の解説がいい。著者は愛知県出身。2013/09/27
はつばあば
59
家族の一員として私達と一緒に暮らす動物は、癒しもくれるし力も与えてくれる。御子神さんも一時は野良ネコ。そんな年増のデブ猫を飼い相棒とまで云うツトムさん。彼やその家族にとっては、名前通り神様に等しいかもしれない。猫の嫌いな人も居るだろうし犬の嫌いな人もいる。でも同じように生を受けたのだからノラを作らないよう、虐待のないよう共存していきたい。(無理かな、同じ人間同士でも殺戮を繰り返すのだから)笑顔を無くしちゃいけない。笑顔でいれば自信も付く。それをくれるのは赤ん坊や話せない生き物。いたわる事を覚えなければ。2015/10/08
じゅき
48
上巻に引き続き も~どうなるの。。。どうなるの。。。とグイグイひきこまれ読了。 御子神さんは家族、会社、お客様 たくさんの人に幸せを与えた。中盤からグッときて泣けた~ ニャ~しかいえないけど いろんなことを知っていて、いろんなことを教えてくれた 御子神さん。ネコのいる生活にやはり憧れました。自分の前にも現れてほしい御子神さん。。。すっごく心があたたかくなる本です。2015/03/05
ナミのママ
47
【原作週間@月イチ】人づきあいが苦手、前職は中学教師という中年のタクシードライバー。ひょんなことから猫と知り合い、一緒にタクシー営業を……。実際に助手席に猫を乗せての24時間営業など無理だろうけど、そういう事は別として、これは楽しいテーマでした。確かに思いがけない動物の出現は、人の心をほっこりさせ、笑顔を誘います。そして長くかかわっていくと心の中に変化が起こると思います。写真も可愛かったです。暖かくて、癒される、素敵な小説、映像も観てみたくなりました。2015/04/23