内容説明
老子とはなにか――いまもってわからないことの多い、この謎めいた名著に現代人は魅かれる。敢えて主とならず客となる 少なければ則ち得、多ければ則ち惑う 知る者は言わず言う者は知らず 柔弱は剛強に勝つ 大器は晩成す――この古典的名著にある名文から現代人が学ぶべきことはあまりにも多い。本書では、とくに現代社会に通じる章を全81章のなかから計53章厳選し、読みやすい構成をとった。また現代語訳とともに、解説を付した。たおやかに、しなやかに、静かに、自由に、悠々自適に生きる人――老子が求めた生き方の根底には、それがある。老子が求めた心には、それがある。そしてそのすべての根源に「道(タオ)」があるのだ。タオは理解することはできない。感じるものである。老子の名文を読み、自らの体験に重ね合わせていくことで、老子は「感じる」ことができる。そのタオにつながる道は誰にも開かれている。本書はその「道先案内人」である。
目次
序 老子―悠々自適に生きるために
1 「道」とともに生きる
2 たおやかに、自由に生きるために
3 しなやかで力強く生きるために
4 静かに生きるために
5 人の世で生きるために
結 日本人にとっての「老子」的な生き方
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かいてぃ〜
16
再読。こちらも訳の部分を流し読み。常に心を穏やかにして、無用な争いを生まず、謙虚に慎ましく生きるというのは、特に今の御時世にマッチしていると思う。水のように生きるというのはいいなぁ。2020/04/12
かいてぃ〜
10
再読。老子の入門編として本書を買ったが読みやすい…が、少し読書に慣れてきたのか、「なのさ」とか「なんだね」等の口語過ぎる訳が気になってきた。今度はもう少し硬めの訳を探そう。やはり「謙虚さ」「敬うこと」「慎むこと」を胸に刻んでいたいなぁと思ったのさ。(^o^) でも、『水の様に生きる』…ホント素敵だ。2016/05/30
かいてぃ〜
10
初めて老子に触れてみた。自分の様な老子初心者にとっては非常に読みやすい本で、言わんとしてる事がすんなり入ってくる感じ。地位(出世)も名誉も特に何とも思わない、今の自分には勇気づけされる一冊です。身の丈に合った生き方、ほどほど、無理をしない、知足…、心地よい言葉ですね。上善水の如し…、理想的な生き方だなぁ。2015/08/24
takam
8
自然体を重視する老子の思想を分かりやすく解説してくれる。大器晩成を「大気はずっと晩成し続ける」と解説している点が印象に残った。論語がかなりストイックな姿勢である分、老子は程よく自分らしさを維持できる生き方を勧めている点が好感度を持てる。新訳だけでなく、全体が分かるものを一度読んでみたいと思った。2019/09/17
さき@merry
6
競争社会に疲れ切った人には染みそう。柔らかく語りかけるような口調で訳しています。作者の解釈が強く出ているため、優しくて受け入れやすい反面、私は拡大解釈を警戒してしまいました。作者のようにハードワーク気味で、生き方を見つめ直したいという方には、良い癒しとなってくれそうです。2016/07/03