内容説明
高速道路の料金所は不思議な場所だ。ドライバーは職員に注意を払わないが、窓口の「立ち番」からは客がよく見える。出世競争に敗れ、今は料金所で働く井川正治郎は、ある日高級車の運転席に元愛人の和子の姿を見た。助手席には、かつてのライバルで東洋商産社長の高柳秀夫が乗っていた。見違えるほど美しくなり、高級クラブのママに納まっている和子に、井川は再会を試みるが、相手にされない。落胆する井川に奇妙な男が近づいて…夜の銀座に渦巻く色と欲の人間ドラマ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Aya Murakami
82
10年以上前にどこかのリアル書店で購入した本。 まだ上巻ですが長かった。そして重厚だった。 料金所のおっちゃん…。ああ…、ETCが導入される前は大活躍でしたね。懐かしい。 そんな料金所のおっちゃんが元愛人の周りを野良犬のごとく嗅ぎまわる所から物語は始まります。しかも嗅ぎまわる人間の数がだんだん増えていくので話はどんどん複雑に…。 オビで料金所のおっちゃんの元ライバル高柳が殺されるのは知っていたのですが、まさかの人物も殺されちゃいます。犯人だれだろうなーと下巻に。2024/03/02
だい
8
300ページまでは下地ならし、それから事が動く!それも急に。2018/11/06
無添
5
銀座の高級クラブのパトロンは誰なのか。仮面の下の本当の貌は? 知られざる聖域・銀行と金融界の闇2019/03/09
y_e_d
4
伏線が巧妙過ぎて失敗している(と自分が勝手に思っている)作品もあるけど、これは読んでいて楽しい。主な登場人物が5~6人あるが、誰もが印象が強くてどんどん先を読んでしまう。誇張がなく簡潔で、歯切れの良い筆致はさすが。弱い立場の一社会人が巨悪に挑む構図はやはり面白い。そして下巻へ。2018/10/20
ten
3
淡々とした始まりから、状況がドラマ(映像)を観ている様になり、話がどんどん展開していきます。下巻がどうなっていくのかとても楽しみです。2023/01/02