内容説明
著者初の神話モチーフのファンタジー小説。神様たちの織りなす6編の話と書下ろしを収録。「友情」「恋愛」「戦争」「世界の危機」とシリアス&ユーモラスに楽しめます。表紙は大人気コミック作家CLAMPが担当します!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒロ@いつも心に太陽を!
38
あさのあつこが紡ぎ出す神話物語。神様だって人と同じで、泣きもするし笑いもするし、時には愚かなこともしでかしてしまう、というのは同じかな。ギリシア神話とか読んでて思うけど、神話にハッピーエンドで終わる話って少ないよね。というわけではないのだろうが、ここに描かれているのもせつなかったりちょっと理不尽だったりなお話が多いような。それでも最後にはほんの少しの光が射す。さくさくと読めちゃったけどこれはこれで面白い。でも再読はないかな・・・もし続編出るなら読むけど☆2010/10/10
エンブレムT
31
ジュブナイル小説にギリシャ神話をリンクさせたようなファンタジー。「友情」「恋愛」「戦争」「世界の危機」短編ごとにテーマがあって、気紛れだけど根は優しい神々が登場します。美貌の少年神が、死を司る神だったりってのは、さすが!あさの作品!って感じで心惹かれました!!CLAMPさんのイラストも美々しく、素敵♪個人的には「盗賊たちの晩餐」が読後感も良く好みです。2009/11/25
ちはや@灯れ松明の火
28
遥か昔、神々と人間の世界が繋がっていた頃、神と人とその狭間の存在・箜が紡ぐ物語。それはギリシャ、中国、エジプト、北欧、インド、アイヌ、日本、地球上に散らばる多神教のイメージの欠片を組み合わせたステンドグラスのよう。違う、逆さと誰かが笑う。もともとひとつだった神話が世界中あちこちに散らばったのさ、長い、永い時を経て。尤もそんな永劫のような時間さえ神にとっては一時の午睡の間に見る夢のようなものだけど。…神は今、何処でまどろんでいるのだろう。2009/10/30
nyanco
28
本当にあさのさんの間口の広さって何なんでしょう。児童文学、青春もの、スポーツもの、江戸ものから、SF…。今回は初の神話モチーフのファンタジー。どんな球でも打ち返してしまう力量がありますね、流石、あさのさん。アニメージュでの連載、図書館でもティーン用の扱い。気楽に読めるラノベ気分でサクサクと読了。グドとフィが魅力的。2009/10/25
杏子
21
あさのあつこさんの王道ファンタジー。最初の2話くらいは話に入り込めなかった。「盗賊たちの晩餐」が一番よい。神話の世界で、人間たちも愚かだったり哀れだったり、愛すべき存在だったりするのだが、それは神々も同じ。ギリシャ神話のように、女好きな神さまもいれば、人間に恋したり、…と、人間的な側面。この世界には、神と人の間に、クウという神さまになる前の見習いみたいな存在がある。そこが特徴的。YA世代が初めて読むファンタジーとしては、ちょうどなのかも?懐かしいCLAMPの表紙イラスト!今の子は知らないだろうが。2015/11/25