内容説明
「幽霊新聞」の発行で警察に追われた東吉は、自らも自由への熱意を燃やす母を残して上京し、東京の民権家と行動を共にする。だが、テロ化した運動は加波山事件に発展し、その限界に近づいていく――。一方ロンドンの光明は、遂に留学生イワガミの死の真相に辿り着く。個々人の革命を描いた物語、衝撃の後編。(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GaGa
12
ただ史実でしか知らなかった自由民権運動。この激動の時代には暗殺やテロが横行し、秩序が崩壊されようとしていた。真の自由とは何なのかを問う大作。あまり語られぬ歴史を黙殺してはいけないと深く感じ、それと同時に、今現在この時代の日本と同じような混沌に見舞われている多くの国を思うと胸が痛む。2010/07/28
sachi-hiro
2
岩神一家三人のそれぞれの生き方、考え方が印象的。お母さんが格好良かった。2009/10/06
おぎにゃん
1
哀しい物語だった。早すぎた者たちの悲劇なのかもしれない。現に、私達が自由と平等を保証されたのは、この物語の遥か60年も後の、太平洋戦争以後だったのだから。一方では、新たな価値観に素早く順応した、明治時代の人々のバイタリティに圧倒された。何れにせよ、傑作であることは、間違いない。素晴らしい作品。2013/09/12
massda
0
明治初期の人たちが、どれだけ今の私たちと違っていて、救いようもなく野蛮で無学だったか、ということを作者は言いたかったのではないだろうか、と思ってしまいました。明治初期の自由民権運動の人たちが、アラブの春で結果的に社会をむちゃくちゃにしちゃった人たちと被ります。急ぎすぎないの大事。2017/10/31
Yoichi Taguchi
0
明治時代といえば、鹿鳴館や瓦斯灯などなど明るいイメージがあるが、庶民の目線からすると、必ずしも江戸時代よりも良くなったわけではなかった(独裁政治の主役が変わっただけ)。この小説で、明治前期の底流に流れる自由民権運動の本質が少しだけ理解できた気がする。一方で、岩神親子の物語は、むめのたくましさ・したたかさを楽しみながら、面白く読み進められたが、大洋・東吉の最後がなんとも切ない。いつか再読しようと考えているが、それでも坂東氏が彼女の子宮で考えた物語の真意は、男にはわからないかも知れない。2017/05/04
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