ベスト新書<br> 悪いのは私じゃない症候群

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ベスト新書
悪いのは私じゃない症候群

  • 著者名:香山リカ【著】
  • 価格 ¥754(本体¥686)
  • ベストセラーズ(2014/04発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784584122396

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内容説明

メディアでは、何か事件が起きるたび、誰が悪かったのかと犯人探しが始まる。メディアだけではなく、社会のあちこちで「悪いのは××だ!」という声が以前にも増して聞こえてくる世の中になった。そして、誰もがその後こう付け加える----「悪いのは私じゃない」。
でも、だれもが「悪いのは私じゃない」と主張して、他を罰してばかりいたら、社会はばらばらになり崩壊してしまう。いったい、私たちはどうしたらいいのだろうか?
本書は、新型うつ病、モンスターペイシェント、アダチル、パワハラ、スピリチュアル・ブーム等々、医学・心理・社会・政治の多角的側面から、悪の原因特定に見られる、「悪いのは私じゃない」という他罰的傾向の淵源に迫る。
《目次》
プロローグ----他罰の時代がやって来た!
第1章 学校が悪い!
 学生のあいだで剽窃が横行
 「学校が悪い、教員が悪い」
 萎縮する教師、保身に走る学校
第2章 医者が悪い!
 「医者が悪い」というモンスターペイシェント
 くずれる医師と患者の関係
 増える母娘共闘のプチモンスター
第3章 職場が悪い!
 労災認定されるうつ病が増加
 ギスギスした職場
 会社のトップに直接メールする社員
 新型うつは他罰の巣窟
第4章 家族の中の他罰主義
 「子どもが悪い」と逆ギレする親
 子どもは本来、自責感が強い
 「親が悪い」と言う子ども----アダルト・チルドレン
第5章 「前世が悪い」?のスピリチュアル・ブーム
 「原因が私じゃないなら、薬は要りません」
 「前世が悪い」
 スピリチュアル的原因論の功罪
第6章 科学の世界も「他罰のススメ」
 かつて、自分を責めがちだったうつ病患者
 「食べ物が悪い」
 「脳の傷が悪い」
 「遺伝子が悪い」
第7章 「悪いのは私だ」の歴史
 日本人は「自責な人」?
 「悪いのは日本ではない」
 負けないためには勝つ、もし勝てないならそれを誰かのせいにする
第8章 ネットという他罰メディア
 スマイリーキクチ氏のブログ炎上事件
 ゆがんだ平等主義といびつな正義感
 他人にだけ道徳的な人たち
第9章 他罰は自己責任論の裏返し
 イラク日本人人質事件
 「自己責任」と「自業自得」
 自己責任を回避するための先制攻撃合戦
 悪いのは私じゃない症候群の元凶は、成果主義と新自由主義的競争
エピローグ----悪いのは私じゃない症候群への処方箋
 「ピンチはチャンス」の自己責任論より「ピンチはピンチ」の分かち合い精神を
 「悪いのは私じゃない」----そう言わない勇気

目次

プロローグ―他罰の時代がやって来た!
第1章 学校が悪い!
第2章 医者が悪い!
第3章 職場が悪い!
第4章 家族の中の他罰主義
第5章 「前世が悪い」?のスピリチュアル・ブーム
第6章 科学の世界も「他罰のススメ」
第7章 「悪いのは私だ」の歴史
第8章 ネットという他罰メディア
第9章 他罰は自己責任論の裏返し
エピローグ―悪いのは私じゃない症候群への処方箋

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

阿呆った(旧・ことうら)

29
土居健郎氏が『甘えの構造』で日本人特有の精神的もたれ合いについて指摘していたが、昨今の日本人は『他罰的な傾向』が強い。(例モンスターペアレンツなど)◆他罰は自己責任論の裏返しだと著者は指摘する。成果主義と新自由主義的競争がその原因らしい。◆自己責任だと言われないようにするため、攻撃は最大の防御とばかりに、他を攻撃する(こうなったのは親のせい。鬱になったのは全て会社のせいなど)◆確かに、他を攻撃して被害者面をしている人には近づきたくないと思う。他罰的にも、自罰的にもならない、中庸の精神が大事だと思った。2016/09/13

CottonCandy

16
クレーマー、モンスター、ブログ炎上。先手で他人を責めるのは弱い自分を守るため。他人を強く責める人ほど、自分が責められることを恐れている。まさに「弱い犬ほどよく吠える」だ。あなたが悪い~わたしも悪い~いや、誰も悪くない~お互い大変でしたね・・・そういうプロセスを我慢できるコミュニケーションの能力や機会が、今の社会には本当に失われてしまったなと思う。他人を責めて責めて責め尽くした先に、一体何があるのだろうか?勝利?正義?正当化された自分?自分を守り通した末の安寧の正体は、信頼を失った嫌われ者の孤独なのだ。2010/04/18

やす

13
日本人は昔は自罰的であり、何かあれば自分が悪いんですという国民性であったものが、ここ最近、悪いのは○○ですと他罰的傾向にある人が増えてきた。市場原理主義や能力主義の影響で自罰的であることが不利に働くためではないかと著者は推量している。驚くのは、鬱病の症例に変化が見られ、私が鬱になったのは上司がわるいなどと社長に直訴メイルを書くような患者もいるとのこと。精神科医の著者としては患者が自分のせいだと少しは思ってくれないと治療がやりにくいとのことである。確かにそうだと思うところの多い本であった。2011/10/26

糜竺(びじく)

10
個人的には、こういう人達は勘弁してほしい。

トダ―・オートマタ

10
他罰的な人が増えたかどうかはわからないが 世の中の流れとして、本書はある程度正しいと思うが 科学的なものや歴史的なことまではあまり関係ないと思う。 今は自分に余裕がなくなっているので、 そのガス抜きとして他人に厳しくなるということは納得だし インターネットがそれを加速させるというツールに なっているというのも同意する。 2012/02/22

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