内容説明
52歳で突如結婚を思いたち、なじみの居酒屋でよく会う独り者に同居を持ちかける蓮子(「夢ふた夜」)。かつて歯牙にもかけなかった同僚にほだされる自分に戸惑う八千代(「フレンズ」)。人知れず抱えてきた女のプライド、処世で身についた妥協と諦念……。もう若くはない女たちの、やりきれないけど愛おしい日々のかけらを精緻に描く短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てくてく
10
年を重ねて、以前は許せなかったことがどうでもよくなったり、譲れないところがあったり、そういった年代ならではの心の揺らぎみたいなものを描いた短編集。苦い読後感のものが多かったが、それでもまあ生きていこうよねという印象を持った。2019/12/31
やどかり
8
どの主人公にも共感できず、期待して読んだだけにちょっと残念。2013/07/04
れん
3
何年振りか…久しぶりに手にとった、藤堂さんの著書です。心情の表現のうまさに惚れつつ、ぐっと引き込まれてながら読み終えました。若くない日々、私も同世代です。卒婚してひとりになり、今は、退職後の生き方を模索中です。2015/10/09
えっこ
2
今まで許せなかったことが、いいんじゃない?って思うようになる年代。同時に頑固にもなる時。身内にいろんなことがおきる環境になり、他人にも振り回されるのは、ゴメンという気持ちは、共感。流されるのではなく、自分が、置かれている立場を確認して、行動しようってこと。2015/10/20
尾白
2
5つの短編。特に50歳を超えて、結婚するかと思い立った連子のゆるゆるとした婚活『夢ふた夜』。腐れ縁を駆使した人間関係で世間を渡っていく”ママ”にかき回される『オープニング』どちらも面白かった。人との係わりの煩わしさと愛おしさがある一冊でした。2015/05/15
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