内容説明
52歳で突如結婚を思いたち、なじみの居酒屋でよく会う独り者に同居を持ちかける蓮子(「夢ふた夜」)。かつて歯牙にもかけなかった同僚にほだされる自分に戸惑う八千代(「フレンズ」)。人知れず抱えてきた女のプライド、処世で身についた妥協と諦念……。もう若くはない女たちの、やりきれないけど愛おしい日々のかけらを精緻に描く短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
あゆみらい
16
図書館本。50代女性が主人公の恋愛短編集。ちょっと他の女性に言われる嫌な言い回しとか、つい持ってしまう偏見とか共感ポイントがたくさんある。不倫物も多いのだけれど、短編にしては情報量が多いので今度は長編を読みたい。あとがきの「50歳の人であれ80歳の人であれ、誰もがその歳を経験するのは生まれて初めて」ということが自分でもわかっているようでわかっていなかったことがよくわかった。2025/10/11
てくてく
11
年を重ねて、以前は許せなかったことがどうでもよくなったり、譲れないところがあったり、そういった年代ならではの心の揺らぎみたいなものを描いた短編集。苦い読後感のものが多かったが、それでもまあ生きていこうよねという印象を持った。2019/12/31
やどかり
8
どの主人公にも共感できず、期待して読んだだけにちょっと残念。2013/07/04
れん
4
何年振りか…久しぶりに手にとった、藤堂さんの著書です。心情の表現のうまさに惚れつつ、ぐっと引き込まれてながら読み終えました。若くない日々、私も同世代です。卒婚してひとりになり、今は、退職後の生き方を模索中です。2015/10/09
えっこ
3
今まで許せなかったことが、いいんじゃない?って思うようになる年代。同時に頑固にもなる時。身内にいろんなことがおきる環境になり、他人にも振り回されるのは、ゴメンという気持ちは、共感。流されるのではなく、自分が、置かれている立場を確認して、行動しようってこと。2015/10/20




