内容説明
金髪美少年を愛したせいで破滅した作家オスカー・ワイルド、意外なロリコン遍歴をもつ独裁者ヒトラー、拷問フルコースで街ごと死の沈黙に包んだ暴君イヴァン雷帝、「特に上腕二頭筋が美味」と尋問官にうそぶいた主食=人肉のジェフリー・ダーマー……。タブーを犯す悦楽とはどんなものか? 人類の歴史とともに古くからある、近親相姦、ロリコン、カニバリズムなど<禁断の愛>に身を捧げた彼らの凄まじい生き方。シリーズ史上、最もグロいエピソード満載の傑作人物伝!
目次
1 ホモ・セクシュアル(オスカー・ワイルド―ブロンド美青年に心を奪われたイギリス文学の巨匠;ヴェルレーヌとランボー―天才詩人同士の壮絶な愛 ほか)
2 近親相姦(ベアトリーチェ・チェンチ―城に閉じ込められた薄幸の乙女;マリー・アントワネット―息子を愛したフランス王妃の苦悩 ほか)
3 ロリータ・コンプレックス(波紋を呼んだ問題小説『ロリータ』;チャップリン―共演者の少女たちとの恋が有名な喜劇王 ほか)
4 サディズム(ジル・ド・レ男爵―数百人の美少年を惨殺したフランスの大貴族;イヴァン雷帝―身も凍るロシアの血塗られた殺戮王 ほか)
5 カニバリズム(ヨアヒム・クロル―ドイツ・ルールの食人鬼;ヘンリー・リー・ルーカス―百七十人も殺したという同性愛カップル ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
67
ホモ・セクシャル、近親相姦、ロリータ・コンプレックス、サディズム、カニバリズムについて、主に西洋の実例で描いています。愛という言葉の響のように綺麗なものではなく、悪の象徴のような官能、耽美、倒錯の世界が広がっていました。物語のような綺麗さではなく、犯罪の域にまで達しています。特にサディズムやカニバリズムの残虐性は美しいまでの芸術的悪と言えるでしょう。前半は甘美な禁断の愛に酔いました。禁じられた性に身を委ねる危険性は色々な形になって現れるのが興味深いところです。2015/09/22
なつ
28
完全に表紙目当てで買ってしまった。昔からいろんな愛の形があるんですね。世界って広くて恐ろしい(; ゚ ロ゚) あまりにも濃厚で目が回りそうだ。読めば読むほどつらくなってくる。中には「愛」と呼べるのかと感じたものも。少なくとも表紙のような甘い雰囲気ではないのは確かです・・・ これから読まれる方は注意と覚悟が必要だと思います。2019/12/24
ankowakoshian11
6
ホモ・セクシュアルについては先日読んだ『ボーイズラブ』と丸被り。他は近親相姦、ロリコン、サディズム、カニバリズム 。ロリコンの章でチャップリンのことを知る、ロリコン道を爆進した人だったんだなあ……、見た目がロリータな女性を好む男性はいるけど、彼の場合は年齢差からしてガチだ……現代なら淫行問題で大スキャンダルだろうけど当時は社会的な制裁を受ける恋愛関係ではなかったんだなあ。全体的に犯罪事件簿ゴシップ的な読み物でひとつ辺りのボリュームも多くはないので、広く浅く知るならいいかも。2023/08/13
CHI-PON
6
タイトルとマリーアントワネットに惹かれて借りました。禁断愛として「ホモ・セクシャル」「近親相姦」「ロリコン」興味津々で読んでいると、チャップリンがロリコン!それも結構重度!有名だったようですが衝撃的でした!マリーアントワネットは息子が可愛そう…ここでは書かれていない彼の結末に思わず涙ぐんでしまいました。面白かったのも前半だけで、後半は「サディズム」「カニバリズム」、禁断愛というより禁断犯罪!よくここまで出来るなぁ…落ち着いた世の中ではありますが密かにいるかと思うと怖い。2013/11/10
Mayumi Hoshino
4
主に近代・現代に実在した人々の、倒錯めいた〈愛〉が語られる(小説家や詩人、画家といった文化人多め)。私が不勉強ゆえ、相当に有名な筈なのにピンとこなくて、「この人にこんな側面が!」という読み込み方ができなくて、なんとももったいない。今作で興味が出てきたのは、カポーティ。「冷血」読んでみようかな。2014/08/13