ちくま新書<br> 日本の深層文化

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ちくま新書
日本の深層文化

  • 著者名:森浩一【著】
  • 価格 ¥770(本体¥700)
  • 筑摩書房(2014/09発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480064769

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内容説明

日本の深層文化を探ること―それは、かつての日本人たちの豊穣な意味の世界を生きなおすことだ。「稲作文化」の常識に反して、かつて穀物の一方の雄であった粟の意義。田とは異なる豊かさを提供してくれた各地の「野」。食用だけでなく道具や衣類そして儀式の象徴となる鹿。さらには「大きな魚」としてのクジラ…。思い込みを排すれば、史料と遺跡はこんなにも新しい姿を見せてくれる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

浅香山三郎

12
ラフなスタイルの著作とも言へやうが、考古学とそれに隣接する記紀神話・倭人伝などの研究、更には森氏自身の体験的な習俗・文化への関心により、動植物(粟・鹿・鯨)や「野」の意味などを説く。埴輪などに描かれた鹿と人との関係性や、鹿に仮装することの意味についての考察、或いは漢字の書き分けとそれが表象するものとの対応など、単にモノのみの観察以上の豊かなイメージを、著者の該博さ(関心領域の広さ)が導き出してゐる。著者自身も言ふやうに、長い蓄積をベースにしないと、かういふ味はいのある本は生まれない、と感じた。2017/02/14

壱萬弐仟縁

12
7世紀後半、木曾路は開かれておらず、三河から矢作川や豊川を遡って、南信濃の伊那に至る道(飯田街道)が重要だったという(085頁)。古代も地形的に道を開きやすいところから開発されていったのであろう。702年になると、木曾からの交通路の開通を急ぐことになったようだ(088頁)。持統天皇の通行のために。深層文化というときに、今は無人駅を放置して地域壊しの象徴にもなっている。さらには、観光客の期待を裏切ってきた地域に僕は住んでいる。JRに問い合わせても何の返答もない。空き施設の再生こそ、深層文化に迫れると思うが。2013/09/03

ヒダン

8
1章のアワ、3、4章の鹿と猪についてはまあまあ理解できた。鹿は新しく開く野(土地)の神の象徴だったようだ。古文書や遺跡の発掘で得られた手がかりを元に私はこう思うとかああ考えている人もいるがそうではないとかそのことはあの本に記したとかを書き連ねている。それらは散漫とも奥深さとも感じられた。1冊では意味不明に思えることも何冊か読むと楽しめるのだろう。また、著者は名前のせいで誤った推論をしないように名前についてこだわりを持っている。余分な知識や間違った常識への警戒心に考古学特有の真理追求の慎重さを感じた。2014/11/13

のんき

3
田→稲作、猪・鹿→狩猟と、それが常識だからと短絡的に受け入れてきてしまっていないか?と自ら反省し、考古資料・文献史料さらには自分の幼少期の体験もまじえてかつての日本の姿を捉え直そうとする試み。今までの成果を洗い直しなおまだ結論に至らない点を「宿題」とする研究者魂がすごい。2009/09/07

インテリ金ちゃん

1
粟・禾の重要性、エノコログサも食べていた!?。古代の野と原。イノシシと鹿。今まで想像していたのとは、かなり違う考察が楽しく、興味深かった。2023/09/17

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