内容説明
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明治初期、商売をたたんで一家で移り住んだしもた屋の離れに、一人の泊り客ができた。離れには、主人が没落士族らしき男から買い受けた木彫りの猿の仮面が掛けられていたが、夜も深まったころ、どこからかうなり声が聞こえてきて…(「猿の眼」より)。怪談の名手・岡本綺堂の短篇13本を選りすぐったおそろし噺傑作集。江戸から明治、大正時代までを舞台にした怪しくて不可思議な噺が、百物語形式で語られていく。ほかに、雪夜の横丁に座る老婆を目にした若侍たちの顛末を描く「妖婆」、新婚の夫がある温泉場から突然行方不明になる「鰻に呪われた男」など。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
p.ntsk
42
澤村伊智さんが岡本綺堂の怪談をおススメしていたので読んでみました。岡本綺堂は明治生まれで『半七捕物帳』の作者でもあります。本書に収められた話は江戸から明治(主に江戸)を舞台にしたもので時代物特有の風情がありました。わかりやすい恐怖を売りにするホラーというよりオチが明快じゃない実話怪談という感じ。百物語の形式で不可思議な出来事が淡々と語れていきます。昔の作品ながら読みづらさはなかったです。 2022/08/17
GaGa
32
初の捕物帳作品である「半七捕物帳」の作者が書いた怪談小説を現代文にしたもの。確かに今読むと物足りないが、当時の創造力で書かれたものとして考えれば特筆すべき作品集である。収録13編のうち「影を踏まれた女」「妖婆」「鰻に呪われた男」が私の好み。全集などで読まないと中々読める機会の少ない作品なので話の種にでもお試しください。2010/10/25
澤水月
28
一本足の女の昏くフェティッシュな怪奇…高橋葉介絵で読みたい。鰻に呪われた男は奇談に近代の意識も滲む…と思えば、兜・妖婆などに彰義隊や侍の矜持など江戸明治大正各時代の狭間での闇も覗く。八つが午後2時など時間表記を現代表記もしているのがありがたい。何故か昔から強く勧められつつアンソロ拾い読みばかりで思えばまともに読んでなかった綺堂、最高やんか!まとめて読むつもり。本書は1960年代に出た傑作選の再刊なのだが唯一の難点はアゴ外れるほどのネタバレが各話冒頭にあること(笑)、これはこれで昭和と現在の意識の差だろうか2018/08/30
まさ
18
岡本綺堂の怪談13編、結城信孝氏選集。『青蛙堂鬼談』から7編選ばれ、知っているものも多かったのだけど、それをセレクトして読み思い起こさせてくれるので満足。江戸~明治期を感じさせながら、静かに淡々と怖さを寄せてくる選集でした。2023/10/28
のぼる
17
怖くはなかった。 でもたまにはこういうのもよい。 ザ•怪談。2018/07/22
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