スポーツする文学 1920-30年代の文化詩学

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スポーツする文学 1920-30年代の文化詩学

  • 著者名:疋田雅昭/日高佳紀/日比嘉高
  • 価格 ¥3,080(本体¥2,800)
  • 青弓社(2014/06発売)
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  • ISBN:9784787291899

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内容説明

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大正から昭和初期、モダニズムと大衆文化の時代-。新聞や雑誌、ラジオ、レコードなどのメディアを介して、文学とスポーツはそれぞれの最前線で交錯した。レトリックと身体が衝突し、神話とアスリートが握手をかわす“文学とスポーツのアリーナ”を物語や表象などから多面的に分析する。現代に続くスポーツをめぐる文化の配置図のルーツは、ここにこそある。

目次

はじめに  疋田雅昭/日高佳紀/日比嘉高

人工施設/体臭/モダニズム
スケートリンクの沃度丁幾――山口誓子『凍港』の連作俳句について  青木亮人
 1 日本スケート史の沿革
 2 スケート界の発展と成立
 3 俳句における「スケート」
 4 「スケート連作俳句」の新鮮さ
 5 「新しい「視角」」と映画理論
 6 「スケート」連作と映画

都市/スピード/中産階級
時を忘れる愉楽――疑似ゴルフに人々が抱いた夢想  天野知幸
 1 アメリカ体験としてのベビー・ゴルフ
 2 “ひととき”の楽しみとしてのスポーツ
 3 消費される時間とスポーツ
 4 「時」の忘却と文学的表現の共振

卓球/精神修養主義/遊戯性
〈肉体〉におびえるとき――モダニズム前夜のスポーツ小説として『友情』を読む  西山康一
 1 競技と娯楽のはざまで――卓球のおかれた位置
 2 卓球に仮託されているもの――作品内部から見えてくること
 3 同時代のスポーツをめぐる状況――作品外部から見えてくること
 4 〈肉体〉の「謀叛」、脅える〈精神〉
 5 〈精神〉修養主義の裏に潜む脅え――モダニズム文芸のスポーツとの連続性

モダン・スポーツ批評――アドルノ・神原泰・中井正一 西村将洋

ラジオ・アナウンサー/オーディエンス/野球
声の複製技術時代――〈スポーツ空間〉と複合メディア状況  日比嘉高
 1 声の争奪戦――スポーツ・アナウンサーと活字メディア
 2 スポーツ・ジャーナリズムの拡大と〈スポーツ空間〉
 3 声と〈鏡像〉
 4 呼びかける声の向こうに

メディア/少年野球/立身出世
ゴムボールを手にした子供たち――「少年倶楽部」に見る野球  松村 良
 1 二つの野球――硬式と軟式
 2 「あゝ玉杯に花うけて」のなかの野球
 3 一九一〇年代――「ゴムマリ団の遠征」
 4 一九二〇年代前半――小泉葵南および東京少年野球大会
 5 一九二〇年代後半――白井桃村と甲子園ブーム
 6 「野球もの」の減少と立身出世
 7 一九三〇年代以後――少年野球のゆくえ

テニス/メディア/スター・プレーヤー
テニス文芸のレトリック──田中純と月刊「テニスフアン」  日高佳紀
 1 日本における二つのテニス
 2 「テニスフアン」における〈文学〉の位相
 3 田中純「羅武君の球歴」の射程
 4 スターの死と日本テニス黄金期の終焉
 5 「羅武君の球歴」の批評性

「スポーツ小説」の盛衰――雑誌「アサヒ・スポーツ」の場合  波潟 剛

スタイル/ジェンダー/陸上競技
変奏される〈身体〉――女子スポーツへのまなざし  笹尾佳代
 1 生成される〈身体〉のモード
 2 スポーツ少女のゆくえ
 3 見出される〈身体〉
 4 喪われる〈身体〉
 5 饒舌な〈身体〉

水泳/コラージュ/視線
水際のモダン――身体と欲望の劇場へ  杉田智美
 1 泳ぐ身体/見られる身体
 2 〈健気〉で〈強い〉モダンガールを欲望せよ
 3 変容する身体――モダンか? プリミティブか?
 4 身体は誰のものか

プロレタリア文学とスポーツ  宮薗美佳

駅伝・マラソン/共同体/語り
ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あまみっく

1
大正から昭和初期にスポーツがどのように大衆に広まり、「言葉」で表象されていったかを紐解く。スケート、ベビーゴルフ、卓球、野球、テニス、陸上、水泳、山岳と扱われる競技は多岐に渡り、普段見ない競技の歴史も垣間見ることができ面白かった。個人的にはフェミニズムの観点からの論考もあったのが嬉しかった。しかし、女性とスポーツを巡る問題は100年前から変わっていないことに深い溜息が出る。2023/07/09

あかいはね

1
東西の若手研究者を取りそろえた、スポーツに関連した文学の論文集。同志社関係が多いのかな、西の方の人達のってなかなかまとめて読む機会がないから新鮮。2009/09/03

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