内容説明
「人生教訓メモ」を手に平穏な読書ライフを望む、高校生・桐島新太。新太は、不思議なモノが“視え”てしまう困った体質の持ち主で、今日もそのせいでバイト先をクビになってしまう。傷心状態の新太が、偶然見つけた貸本屋「満月堂」に立ち寄ると、そこにはやけに態度の大きな店員の女の子・ツクモと、バイト先で見かけたオコジョ少女がいた! ツクモは、自分を“世界の設計図”を記録する“観測者”だと言い、新太の不思議なモノが見える理由を教えるかわりに、仕事を手伝うように命令する。しかも手伝わないと世界が終わる――って、ここ貸本屋だろ!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヤギ郎
15
「これぞラノベ!」の空気を醸し出した恋愛コメディ小説。このノリは近年見ないような気がする(ちなみに本書は2009年出版)。負けず嫌いなヒロイン,可愛くて健気な相棒,ツッコミ上手な主人公が降り混ざった物語。2018/12/07
中性色
13
貸本屋って今でもあるのだろうか。というわけで残念な人たちの異能力的なファンタジックラブコメ。意外とシリアスな話かと思ったのに、わりとギャグよりっていうか。そのものは悪くないが、当初のストーリーラインから外れてるのはどうなのだろうか。というか、調停戦争ってそんなんでいいのか。この世界で満足するしかねぇ。というか、フジエルとか無理ありすぎるだろ。途中のクルン日記は面白かったけど、誰やねん斉藤さん。個人的にはクルンが好み。2016/07/28
星野流人
10
これはおもしろいなあ、と素直に言える作品。ギャグ混じりにテンポよく進んでいき、シリアスな場面ではしっかりと読ませる。合間合間に挟み込まれるギャグはとても自然で、物語の邪魔をしていない。キャラクターも全体的にちょっと“残念”な人たちばかりで、おもしろいし微笑ましい。ちょっと腹のたつキャラクターが何人かいたのだけれど……ストーリーが進むにつれてそれぞれの悪い印象も解消された。いちばんかわいいのはクルンで、気に入ったのは藤崎かな。みんな残念だけど。すまきさんのイラストも可愛いし……あれ、完璧じゃないか。2011/03/29
ぶなぶな
9
本好きの主人公・新太が偶然見つけた貸本屋で店主の女の子・ツクモと出会い幕が上がる不思議なラブコメディ。とても面白かったです。軽快な語りに魅力的なキャラクター達、それにシリアスになり切らないどこか残念な展開でストレスフリーであり、読んでいてずっと楽しい。ライト文芸で著作をいくつか読んでいるが、こういうコメディも卒無くこなせるのだと驚きました。これは似た者同士の二人が、大切なものが増えることで変わっていく自分を覚悟する物語。面倒なことは楽しいことだと胸に抱いていきたいなと思います。次も楽しみです。2018/11/28
KUWAGATA
7
地味ながらも良作。キャラはちゃんと立ってるし、ストーリーもこの手の作品にはありがちながらも、適度に個性があるし、絵も雰囲気にぴったりだと思います。クルンの可愛さは筆舌に尽くし難し。こういう健気な幼女って、サクラ大戦3のコクリコ以来ツボだなあ、あ、もちろん娘的な意味でですよ? ヒロインの残念さも愛すべきものだし、百合っ子のヤンデレぶりもなかなか笑わせてくれる。なにより藤崎図書委員の活躍が意外で、思わず噴いてしまいそうになりました。途中まで、このキャラいらんよなあと思ってただけに。2013/01/28