随時見学可

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随時見学可

  • 著者名:大竹昭子
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • みすず書房(2013/04発売)
  • 3月の締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~3/31)
  • ポイント 510pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784622074564
  • NDC分類:913.6

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内容説明

「まもなくしてY字路に出た。いま来た道と分かれて住宅街に入っていく道が先に延びていて、二股のあいだには切り分けたケーキのような形のマンションが建っていた。オリーブグリーンというちょっと変わった色で、〈入居者募集 随時見学可〉という看板が掛かっている。築30年はたっていそうなほど古いのに、外しそこなったのだろうか、それとも下ろす間もないくらい出入りが激しいのだろうか」表題作のほか、「本棚の奥の放浪者」「ハウスシッター」「水のゆくえ」「タイ式マッサージ」「狐塚公園」「ミステリー・ファン」「キリ番ゲット」「木造モルタル」「ごみ入れや浴室マット」を収録。『図鑑少年』刊行から10年、待望の著者2作目の小説集である。街やインテリアのたしかなディテールに支えられつつ、一人称単数を削ぎ落とした文体から、変容する都市風景と人間関係、溶けていく「わたし」の身体感覚、日常のなかの「エピファニー」があざやかに描き出された全10篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みーまりぽん

6
名作「図鑑少年」からなんと10年もの時を経ての2009年出版の第2短編集。都心の隠れ家を手に入れたとこから不穏にカオス化していく表題作と、穏やかで心地よいラストの「ゴミ入れや浴室マット」の2作は「新潮」誌、他8作は「本の旅人」誌に発表されたもの。「木造モルタル」という作品では特に、少し前に読了した「きみのいる生活」でのスナネズミだったり、現在同時に読んでいる「東京凸凹散歩」のテイストだったりがそのまま小説に出没していて愉しい。いや、凸凹散歩は最近作だから順序が逆、「NY1980」とかから不変と言うべきか。2021/10/05

5
この暑い時期にさらっと読める街や家を舞台にちょっと変わった出来事がおこるフィクションが詰まった短編集。身近な人を失ったり、隠れ家などを得たりすることで変化する主人公たち。夏独特の思い出だとか懐かしい感覚を時折思い出させてくれる本。2016/08/07

kuukazoo

5
危うく退屈になりそうなところをちょっとこらえて読み進める。正直なところあんまり響いてくるものがなかった。淡々とした筆致で日常の中の少しずれた領域へと展開していく作風は嫌いじゃないはずなんだが、今一つのめり込めなかった。自分としてはその理由が知りたい。2014/11/22

takao

2
ふむ2023/12/14

ちより

2
慣れ親しんだ日常が不意に姿を変える時。非日常は異世界への入口。一人称単数を削ぎ落とした文体というのが非常に心地よく、すっと物語に引き込まれていく。不思議な余韻が残る作品。2010/10/10

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