内容説明
本書は1970年代に若者たちの間でベストセラーとなった高野悦子著『二十歳の原点』三部作の『二十歳の原点』新装版です。二十歳と6か月で、その生涯を自ら閉じた著者が最後に過ごした半年間を克明に綴った日記です。若さゆえのさまざまな悩みを抱え、つねに自分自身に問いかけ、自己に求め続けたその姿は、時代を超えて、私たちの胸を打たずにはいられません。痛々しいまでの純粋さとは、普遍性を持った文学的なテーマであることを思い出させてくれるはずです。新装版は、当時の時代背景を知らない世代にも読みやすいように一部脚注を付しています。また、著者が実際に日記を綴っていた大学ノートが横書きであったことを考え、より“個人の日記”という雰囲気を感じていただくために横書きの文字組デザインに変更しています。帯の推薦文は「やっぱり好きなんだと思う。自分が空っぽになるくらいに泣いたから。――佐藤江梨子」。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
パフちゃん@かのん変更
59
『二十歳の原点』これじゃなくて、あの黒地に赤い花の表紙の単行本を読んだのは高校生のころ。よくわからないまま何だかカッコいいと心酔したものでした。それから40年くらいが経ち、新装版が出ていたので読んでみました。彼女は私より年上で学園紛争盛んな頃に学生時代を過ごした。美人で頭もよく家庭にも恵まれていたのに何故自殺を選んだのか。闘争の挫折と失恋の痛手。友達でも同志でも恋人でも、たった一人の理解者がいれば死ぬことはなかったのではないかと思うと不憫でならない。せめて違う時代に生まれていれば。2017/04/10
Takako
9
1969年に立命館大学の3年生だった高野悦子さんが、自ら命を絶つまでの半年間に書き記した日記。学生運動の真っ只中、読んでいて痛々しくなるほど自己批判を繰り返しながら、人生とは何か社会とは何か、己とは、真実とは、愛とは何かを激しく問うた一冊。あまりの激しさに私自身が共感できる場所は少なく、しかし共感に一体どれだけの価値があるのだろうとも思いました。柔らかな若々しい感性と大きな自意識が荒々しい時代に翻弄され、やがて張りつめていく哀しさ。47年前にひたむきに自己と向き合った少女がいたと知ることのできる一冊です。2016/04/13
活字の旅遊人
8
新装版が出ていて、まだまだ感想が書き込まれている。すごいことだ。
もりけい
8
学生運動を理解していないこともあって日記に綴られていることは半分も理解できませんでした。自分の考えを克明にノートに綴り自己を追求していく姿は、現代から見るとそんなに頑張らなくてもと映ります。「他者を通してのみ、自己を知ることができる」と作者は知りつつも、このノートとの対話で自己を作り上げたとみています。2015/05/31
OHNO Hiroshi
6
自分の大学に、機動隊が導入され、入試が行われないとか。異常な事態である。 立命館大学が三流大学とされていたり、へえ、一流じゃないのと思う。 友達がいなかったの。一人になりすぎたの。 あんなこともあったと思えるはずだったのに。 それにしても、何年生きたかとかは関係ない。それぞれの運命の、それぞれの人生だもの。 なんか、なんだか、もっと活動してほしかったものだなあ。2015/06/14
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