内容説明
秘拳「明月五拳」の極意を修得した西行は、学べば死に至ると伝えられる「暗花十二拳」の謎を求め、歌枕を訪ねる漂泊の旅に出た――。NHK大河ドラマ「天地人」原作者・火坂雅志の記念すべきデビュー作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
読書ボーイ
9
北斗の拳かと思った。 荒唐無稽かもしれないけど、意外と面白かった。 和歌に隠された謎を追うミステリーとしても面白いかも。 2016/07/13
st46max
5
天地人の作者、火坂雅志のデビュー作。漂泊の歌人として名声を残した西行は若い頃、藤原成通に師事し蹴鞠と和歌を学ぶ。ここまではほぼ史実だ。さらに成通より、明月五拳を伝授される。そして、もう一つの秘拳の謎を求めるため、奥州へ旅に出る。西行自身も奥州藤原氏の流れをくむ。ちょっと怪しい話だが、とてもテンポが良い。魅力は兎にかく西行が強く、旅の各地で秘拳の使い手達を次々に倒して行く。軽快な進行の中に和歌がちりばめられ、自分に素養が全く無いのは残念だったが、それなりに趣は伝わった。藤原氏の系図のせいで寝不足。2011/11/10
Sakura
4
西行が秘拳の達人って何という設定!と思ったけど、少林拳とかあるし、僧侶が拳法やるってそうおかしな話ではないのか。和歌に密かに隠された秘拳“暗花十二拳”の謎を解きに旅に出た西行は行く先々で敵に出会う。それにしても劇画チックな小説でした。短い和歌に隠された言葉の解釈が面白かったです。2016/06/05
みんみん
2
名月五拳の使い手として訓練された西行が、敵対する暗花十二拳の秘密を探るべく、歌枕の地を訪ねる旅に出る。そこに次々と現れる暗花十二拳の使い手たち!「秘拳、山の端の月」などと技の名を名乗ってしまうところが素敵。西行ってもともとイケメンと名高いですしね。クライマックスに和歌地獄を持ってくるところも良い。ただ、時代小説ぽいお色気シーンがわたしにはいらなかったな。あと、最後以外は敵があっさり倒され過ぎ。しかし、この着想だけでお腹いっぱいだし、幸せな気分になります。2023/10/10
めこ
2
まるで「北斗の拳」と「キン肉マン」を混ぜたかと思うような内容だ。 はたして、西行は「暗花十二拳」を学んだのだろうか?それとも倒しただけなのだろうか?2018/10/09