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内容説明
イスラム教は,仏教,キリスト教と共に世界三大宗教の一つになっている.『コーラン』はイスラム教の聖典.その中にはイスラム教を興したアラビア人マホメットの行動と,彼を通してえた神の天啓とが鮮かに写し出されている.当時のアラビア民話も織りこまれており,アラビア人の本質を理解する上で,本書は大いに役立つ.口語訳.
目次
目 次
一 開 扉 ──メッカ啓示、全七節──
二 牝 牛 ──メディナ啓示、全二八七〔二八六〕節──
三 イムラーン一家 ──メディナ啓示、全二〇〇節──
四 女 ──メディナ啓示、全一七五〔一七六〕節──
五 食 卓 ──メディナ啓示、全一二〇節──
六 家 畜 ──メッカ啓示、全一六五節──
七 胸 壁 ──メッカ啓示、全二〇五〔二〇六〕節──
八 戦利品 ──メディナ啓示、全七六〔七五〕節──
九 改 悛 ──メディナ啓示、全一三〇〔一二九〕節──
一〇 ユーヌス(平安その上にあれ) ──メッカ啓示、全一〇九節──
解 説
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ころこ
43
聖書は近代原理の原理だから読む理由があるのですが、他者中の他者であるコーランの言葉を我々はいったいなぜ必要とするのだろうか、と考えながら読みました。アラビア語でない本書は、厳しい環境下の口承のために多くが省略されている部分を日本語で補った注釈書の態で書かれています。抽象的でこのテクストだけでイスラム教を理解するのはちょっと難しいので、他に注釈者の『『コーラン』を読む』を並行して読んでいます。尚、カッコ書きの2列組は電子書籍だと1列になっているので、電子書籍の方が格段に読み易くなっています。2021/12/17
阿呆った(旧・ことうら)
26
信仰の問題でもあるのでコメントは差し控えます ◾︎1< アッラーの不義をなすものども…どこでも戦え。>と信仰を守るための戦いを善としていること ◾︎2殺人の場合には返報法(目には目を)で報いること ◾︎3キリスト教、ユダヤ教を激しく批判している(偶像崇拝など) ◾︎4アッラーは慈悲深いが、信仰を捨てたり、他の神も信仰したりするなど、アッラー崇拝以外をとにかく赦さないことなどが、繰り返しはっきりと謳われていた。2015/11/19
きゃんたか
19
気になったのは戦争と女に関する言葉、唯一神アッラーに対する信仰観、聖書の間違った引用。男尊女卑の前提に立って財産のように多くの女性を所有することを認め、アッラーのための武力抗争を激賞し、反対に兵役を拒否する者を「欲に駆られた犬畜生」と罵倒する。地獄に墜ちる恐怖を幾度となく繰り返し、善行、悪行いずれにも金勘定のような算段をつける。権威付けのためにアブラハム、モーセらの啓示を自分自身のものと結び付けるかと思えば、聖書の記述をイスラム圏の土着信仰とない交ぜにする。自らを正しいとする閉じた社会の恐ろしさを感じた。2016/11/25
RIN
18
本来コーランは読誦されるものであり、他言語に翻訳するのは禁止されている。その為、本書はあくまでコーランの解説書という体をとる。最後の予言者マホメットを通して朗々と紡がれるアッラーの教えは、想像よりも遥かに愛嬌があって面白い。確かに敵に対する苛烈さは過激派を生みやすいかもしれないが、教え自体は合理的で良く出来ていると思う。ただこのアッラー、物凄く気分屋。たまに慈悲深さを見せたかと思えば、多神教徒やユダヤ教徒、更にキリスト教徒もひたすらディスる。序盤の『牝牛』が好きなだけに、情緒不安定な推しを見る複雑な気分。2022/05/03
さきん
15
物語というよりも、教えを疑問に答える形で羅列したもの。内容の3分の1程度は、神はなんでもお見通しで万能であることを繰り返している。ユダヤやキリスト教を意識した記述が多い。2015/08/12