内容説明
地平線は越えられるか?「私たち」に外はあるか?足の裏に影はあるか?ないか?「無関係」とはどういう関係か?…ほか、目の前に立ち上がる問いを、夢中になって、追跡する。目もくらむような、24の言葉の結晶。付論「『ほんとうの本物』の問題としてのプロレス」を収録。
目次
地平線と国境線
「私たち」に外はない
足の裏に影はあるか?ないか?
無関係という関係
「さとり」と「おおぼけ」は紙一重
ゲームの階梯
あらかじめ失われた…
さまざまな「迷信」
「ものさし」の恍惚と不安
数と時の思考〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぬ
4
本書再録の「「ほんとうの本物」の問題としてのプロレス」は入不二の思考がレスリングに根差していると感じさせる力のある論文だった。レスリング、仏教説話、塾講師など、随想はいずれも同じテーマを変奏しているように思われる。独りだけでなく他との応酬で次の階層を形成していく(円環的な)論理の上演、その上演を観劇しているはずの第三者における演目への巻き込まれ、時間なるものにおいて雑ざり合っているように思われる運動性・順序性・基準性などを腑分けしていくこと。論理と実践。ある意味でグレアム・プリーストに近いのかもしれない。2018/05/01
いかすみ
1
入不二さんの『相対主義の極北』を読み解くための補助線として本書を読んでみた。哲学的なエッセイ集で、具体的・日常的なお話をネタに哲学的・抽象的な話題を語る入不二さんの思考に驚いた。プロレスを通して哲学を、哲学を通してプロレスを辿る。このエッセイ集で好きな文章は次のそれ。「「神」は別の所にいるのではなく、<ここ>に宿っているのである。しかも、無いという形でいきいきと」。到達しえない向こう側があるからこっち側もあり、こっち側がなければ「こっち/あっち」の線引きもできないという相互依存関係。頭がこんがらがった。2025/01/03
xxxkayuxxx
1
ものを考えるにはきっかけが必要だと思う。これってどういうことだろう?という子供みたいな気持ちを忘れないでいたいし、それだけじゃない、こういうことかもしれないああいうことかもしれないと思索できるくらいいろいろなことを知りたい考えたいと思わせてくれるエッセイ集。2013/02/18
monel
1
入不二哲学のエッセンスを抽出した名随筆。問題意識がシンクロした方は「相対主義の極北」を。2009/06/13
秋さんと愉快なギターたち
0
再読2017/04/22