内容説明
毛鉤をピアス代わりにつける謎の美女を追いかけたサラリーマン二人組が、足を踏み入れたのは……。都市の中心部で、密かに口を開けて待っている異界“サーカス市場”。死者のためのサーカスが行われていたり、裏切りの重さが量れる天秤を持つ質屋があったり。幻想味あふれる「奇妙な味」の傑作連作短篇集!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Walhalla
23
ものすごく怪しい雰囲気の街が舞台です。怖いもの見たさだけでは、とうてい近寄りがたいムードに溢れていますね。 ただ、私にはちょっと気持ち悪さが勝ってしまった感があります。三浦明博さんの作風のイメージからは想像できず、戸惑いが隠せません・・。2018/06/27
カニック
8
思っていたような怪しさや不思議さが弱く拍子抜けしました。設定はいいと思うので残念。2022/06/11
シロー
7
既読の三浦作品はいずれも広告業界での職歴を活かしたリアルな作風だったが今作は超現実的設定。それにしては、はったりが足りず恐怖感もおどろおどろしさも感じられず残念。非現実的設定はある程度はっちゃけないと物足りないし、遣り過ぎると白けるしで塩梅が難しい。郁のキャラはかなり好み。女性と食事をすると異性を意識するのか、普段からそうなのか不明だが食べっぷりがしおらし過ぎて不味いのかと心配になる娘が多い。少なくとも自分は美味しそうにモリモリ食べる娘が好きだな。2016/08/12
てっちゃん
6
仙台の何処かにある、サーカス市場なるあやしげな市場に足を踏み入れた人たちの話を連作短編風にまとめたもの。面白いかと言われるとちょっと微妙な気もして、奇妙な味というほどインパクトのある話ではない。そもそもこのサーカス市場という舞台設定がはっきりしていなくて結局どういう所なのかが分からない。それぞれの話にでてくる小道具はすごく魅力的なので、なんだかもったいない気がした。2021/06/09
海子
3
ノスタルジックと不思議と猥雑さと混沌が混じり合った舞台。もっと不気味なおどろおどろしさを想像していたから、人間模様は現代的で薄味。設定が良いだけにもったいないという印象。2010/11/30