内容説明
あるときは「小林秀雄の蟹まんじゅう」を求めて揚州の小路に入り込み、あるときは杭州の高級料理店で満漢全席の至福に身をゆだね、またあるときは変わりゆく北京下町のもつ煮屋で浅草を思う――。中華文化圏がその懐深くに抱く、千変万化の食文化。その魅力にとりつかれた作家が、縦横無尽の食べ歩きを通じて出会った「ホンモノ」の数々を綴る十五章!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
としちゃん
22
大皿高級料理より、屋台や小さなお店の方が誰が言っても美味しいものが食べられるという理念のもと、評判の良い点心のお店に行って、美味しいものを食べまくるというグルメ本です。ある地域で、そこに暮らす人に愛されている料理というのは、広大な中国の中にも確かにあって、多分それは日本の郷土料理と同じ。広くは知られていなくても、その土地の人にとっては子供の頃から食べ親しんだ味。そんな今まで見た事も食べた事もない、未知なる味の世界に誘ってくれる一冊。紹介される料理はことごとく美味しそうで、全部食べてみたくなります。2016/02/29
Humbaba
5
同じ料理であっても,店によって大きな差が生じることがある.日本でも,うどんという料理は地域によって出汁もコシも大きな差がある.まして粗レが中国であれば,一層の違いが生まれてくる.2013/01/20
tama
3
図書館本 書架から 味変え目的 作る側の文章でなく書く側しかも翻訳家なので味わいがよく伝わる。知ったこと「主食は甘くても変じゃない」「湖北人辛くてもOK、四川人辛いの好き、湖南人辛くないとダメ!」そういえば、どうして和食には「ライスペーパー的な」もので巻いて食べる料理がないんだろう?ひょっとしたら食文化は殆ど朝鮮半島経由なのかも。本に書かれてる涼拌蕎麺食べてみたい!臭豆腐も台湾では珍しくなかったのに食べる機会がなかった。ワシ、臭い食べ物好きなんだけど気を使って避けてくれたのかなぁ。2015/03/29
ナウラガー_2012
0
”肉円”や”貢丸”などの肉団子も名物/御飯を握り固めたものを”飯団”とか”餈飯団”というが御飯ではなく糯米で華南で見かける/蘇州・無錫の人は甘いもの好き2016/12/09
ナウラガー_2012
0
【洛陽】”水席”という汁物尽くしの宴会料理がある。「牛肉湯」「羊肉湯」「驢肉湯」などの専門店があり、早朝から店を開けてから水を一滴も足さないので昼頃には売切れる/【台湾】淡水名物:石みたいな燻製卵「鉄蛋」や「阿給(アゲ):日本の油揚げ(阿布拉給)の中に肉や春雨を入れて蒸しタレを付けて食べる」、”肉円:半透明な皮に肉や椎茸、笋を混ぜたもの”。台湾の街では「彰化肉円」という看板を良く見かける(彰化県鹿港に「肉円林」という老舗菜家がある)。新竹(=今は台湾のシリコンバレー、昔からビーフンの産地)には2016/12/09