内容説明
医療現場はいま大混乱だ。OECDの調べで医師数が不足していることは明らかなのに、政府が放置したため、救急患者のたらい回し、お産難民、医療ミス……次々に問題が顕在化したのだ。医師の問題、制度の問題、そして患者の問題を考えることにより、患者ができる防衛策、病院選びを考察する。
目次
1章 大混乱の日本の医療現場(どうなる日本の医療;医師不足の背景 ほか)
2章 立派な医者が欲しい(医者に必要な自然の摂理を学ぶ姿勢;「家庭医」か「専門医」か ほか)
3章 医学教育の改革が必要(治療が病気をつくる;熱を下げない方が治りが早い ほか)
4章 医者を選ぶのも寿命のうち(こんな医者にかかりたい;患者の命、運で決まる ほか)
5章 患者主体の医療とセカンドオピニオン(情報開示とセカンドオピニオン;がん患者に最善の道を ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
bittersweet symphony
1
寄生虫学を専門とする著者の、多くの問題を抱える日本の医療についての書下ろしエッセイ。何冊か著作を読んでいるような気がしましたが、どうやらNHK人間講座のテキスト以来初のようです。基本線は単純なことで、患者・医者双方のディスコミュニケーションというかコミュニケーションを拒否するような医療に対するスタンスが、あらゆることの問題の根になっている、ということですね。◇(20210628追記)ご冥福をお祈りいたします。2009/10/28
讃壽鐵朗
1
著者はこれまで一般向けの本を多数書いてきた人、つまり筆が立つ人。そこできっとこの医療が崩壊しつつあるときに売れる本を書こうと考えた。自身は臨床とは関係ないが、耳学問などで情報を集め一気に書いたという訳。読みやすくはあるが、魂胆がこれでは。2013/11/14
まさきち
1
大枠では、間違ったことを言ってないんだと思うんだけど、記述は思い込みが多くて説得力に欠ける。批判文を書くための教材にはいいかも。2009/05/18