内容説明
世界中の音楽はもちろん、生活スタイルまでも変えてしまったカラオケ。その成り立ちを調べ始めた著者は、次々と意外な事実を発見する。これまで伝えられていなかった「真の発明者」の存在、カラオケボックスが岡山のうどん屋から生まれた背景、原子力博士が通信カラオケを開発した事情……。音楽を愛し、創意工夫を欠かさなかった男たちの情熱とアイディアが結実するまでを描く。カラオケの正史にして決定版。
目次
序章 日本人はなぜ「聴く」より「歌う」のが好きなのか
第1章 「カラオケの発明者」になりそこねた男
第2章 カラオケボックスを考案した弁当屋のおじさん
第3章 原子力博士はなぜミシン会社で通信カラオケをつくったのか
第4章 音源づくりの耳コピー職人は自宅作業をしていた
終章 日本人はいつから人前で歌うようになったのか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
糜竺(びじく)
21
カラオケ、カラオケボックスが、どのようにして出来たかわかる一冊。実際に関係者に著者が取材に行っているので、興味深かった。2019/10/25
ちあき
4
東洋の島国に芽ぶき地球規模の大衆娯楽にまで発展したカラオケ、その知られざる側面を探索した本。何より読み物としておもしろいし、カラオケ興隆の背景に「郊外化」とモータリゼーションを指摘するところなどは、社会学的な視点としてもスリリング。他の誰にもなしえなかった数々の新事実発見が、過去の記事にあたって情報を集める、当事者に会って話をきくという、ごく普通の方法論によってなしとげられていることが感動的だった。2009/02/27
バッシー
3
「秘史」ではなくこれが「正史」。カラオケができるまでに、ここまでいろんな要素が結び付いたとは知らなかった。新書で読むにはベストなボリュームと内容。おもしろかった。2019/08/30
Go & Mocha
3
『カラオケ』の歴史書である。「Karaoke」の歴史書ではない。「カラオケ」の歴史は、副題のとおり、日本人による「創意工夫の世界革命」と言えるものだと確信した。特に、耳コピー職人の件りは、圧巻でした。絶対に日本人にしかできない芸当である。誇り高き日本文化『カラオケ』! でも最近は、『カラオケ』にも「Karaoke」にも行ってないなぁ。。。 『カラオケ』が世界に拡大していく本、「Karaoke」正史もあったら読みたいな。2016/02/11
Nunokawa Takaki
2
趣味、というか「命賭けてます」と言えるくらい歌の練習に余念がない自分だが、そんな人間が普段行くところといえば「カラオケ」だ。そろっとカラオケの歴史でも学んでおこうかなという気持ちでこの本を手にした。1人の人間が苦難を乗り越えカラオケを作り上げたというよりは、何人もの人間がまるでバトン渡しでもするかのようにカラオケという仕組みを完成させていった感じがある。しかも皆思わぬところでアイデアが閃いている。トラックコンテナをカラオケコンテナにするなど、やるなあといった感じだ。カラオケがなければ今の自分はいません笑。2015/07/09