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内容説明
アメリカの弁護士の好きな言葉に、Our Town,Our Court,Our Lawyer(われわれの町、われわれの法廷、われわれの法曹)というのがある。さらに、その次に、Our Justice(われわれの正義)とつなぐこともある。日本人にしてみれば、なんと傲岸な、と思うかもしれないが、その昔、移民たちがアメリカにやってきて自分たちで町をつくり、ルールをつくり、保安官を雇い、治安を守ったのだという自負がそうさせるのである。その考えは当然、政治に反映される――。共和党と民主党、この二大政党は国民の対立する主張の受け皿であり、アメリカ人が譲ることができない正義、つまり自由と民主主義(その原理である平等)に対する考え方の違いを表している。中絶と銃規制が、なぜ大統領選挙において大きな争点となるのか? なぜならアメリカ人にとって、自分たちが生きていくうえでの信条にかかわる重大問題だからなのである。本書を読まずしてアメリカ政治を語ることなかれ。
目次
第1章 アメリカ人の正義(コーヒーで火傷して三億円の賠償請求 弁護士はなんのために企業を訴えるのか ほか)
第2章 アメリカ精神の源流(民主と共和、二つのアメリカ 仕事にいそしむのは救われる証 ほか)
第3章 アメリカ外交の系譜(政府が社会に介入しだした 世界に目を向けはじめたアメリカ ほか)
第4章 アメリカを動かしているのは誰か(アメリカ大統領は世界一の権力者か アメリカ社会に根を張る「鉄の三角形」 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
レコバ
3
政治制度は各国バラバラなのは当然としても、専門職ですら選挙で選ぶなど際立って特色のあるアメリカの政治を歴史を踏まえて分析するもの。出版時期もあり当然、トランプについては記載がないものの。ヒラリーVSオバマの時点でこれまでの選挙戦略が通用しなくなってきているという分析が面白い。アメリカ史については思いのほか仔細に記載していたが、細かく理解するには中途半端な分量だと判断した。追ってそれ用の単著にあたりたい。2020/07/15
羽生沢
1
研究計画書用。利益団体と政党の関係を重点的に取り上げている。2014/10/08
yuichi0613
1
ピルグリムファザーズからオバマまで網羅。アメリカの選挙(献金やPACのこと)などを知るにもよい。2008/12/07