内容説明
報道によって提供される世界観は、歪んだものになってしまうと言わざるを得ません。日本国民が自衛隊の海外派遣問題やテロとの戦い、または憲法改正など、「この国のゆくえ」に関わる重大な決断を迫られたとき、その判断材料が歪んでいては正しい結論は出せないのです。そこには戦争報道が担う社会的責務のひとつがあると信じています。よく人に言われるのは、「なぜそれほど危険な取材ばかりするのか」とか「命知らずだね」といったものばかりです。しかし私たちにも一定の取材基準はあります。無闇に戦火に飛び込んでいるわけではありません。その基準になるのは少なくてもその現場で一般市民が犠牲になっているかどうかです。市民の立場から伝えるべき現実があるかどうか。そして最終的に取材に行く行かないを決めるのは、記者本人なのです。(第1章より抜粋)
目次
プロローグ 2007年9月27日のこと
第1章 独立系ニュース通信社とは?
第2章 戦場取材に必要な経費
第3章 長井記者が遺したもの
第4章 「スタッフ回顧」長井さんといた現場
第5章 それでも私たちが戦場取材に行く理由
エピローグ APF通信社の目指すもの
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
お昼寝ニャンコ
17
2007年9月27日、ミャンマー民主化報道の最中、軍事政権軍の凶弾にたおれた長井健司記者の生き様や、戦場におけるジャーナリズムの意義、必要性を説く。中でも日本においては戦場の情報は、安全性やコンプライアンス、視聴率、採算面などから報道されない事も多い。だからこそAPFのような小回りと自由度の高い通信社が必要だという。《知らなかった》という事実はその情報を知った後で初めて判る。人々が事実を知ることで結果助かる命もある。そこにこそ命をかけて報道する意義もあるという。麻木さんの《まえがきにかえて》も良かった。2016/09/15
すずの
1
ジャーナリストとかメディアに関わる人って本当に情熱がないとできないなーと思った。そんなことあったなーと思い出しながら、ミャンマー情勢ってすっかり変わったように思うけどどうなんだろうと気になった。2015/10/26
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