写真叢書<br> 『明るい部屋』の秘密 ロラン・バルトと写真の彼方へ

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写真叢書
『明るい部屋』の秘密 ロラン・バルトと写真の彼方へ

  • 著者名:青弓社編集部
  • 価格 ¥3,300(本体¥3,000)
  • 青弓社(2014/07発売)
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  • ISBN:9784787272485

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内容説明

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ロラン・バルトの遺作であり写真論の最重要文献である『明るい部屋』。そこに織り込まれた謎めいた言葉に触発され、これまでに多くの論考が紡がれてきた。それらを集成することで、『明るい部屋』に潜在する秘密を解き明かす。

目次

はじめに 青弓社編集部

第1章 『明るい部屋』のなか

私はここで暮らしたいと思う 原 広司

ロラン・バルトの部屋 小林康夫

第2章 『明るい部屋』の光

まなざしの対位法 鈴村和成

ロラン・バルトの哀悼――『明るい部屋』における写真論と自伝の相互作用について 川島建太郎
 1 「私」による写真論
 2 『失われた時を求めて』――物語構造
 3 『告白』――母の死
 4 「プンクトゥム」と愛と死と
 5 ディオニュソス的狂気
 6 光のなかへ

光の記憶 千葉文夫
 1 きょうの天気
 2 光を見ること
 3 写真の光

第3章 『明るい部屋』の真実

現前という狂気――ロラン・バルト『明るい部屋』再読 梅木達郎
 1 問題の所在
 2 トートロジーの論理と探求の行方
 3 前言撤回と全体の構成
 4 現実と真実――写真の構造と指示対象
 5 指示対象と狂った現実
 6 写真あるいは現前の誇張法――結びにかえて 

写真と実在、そして真実――ロラン・バルトによる写真の実在論 岡本源太

第4章 『明るい部屋』の外

蝶の採集 城殿智行
 1 「標本」の特殊性
 2 知らせること
 3 「採集者」「標本」「観客」
 4 《ある晩……》
 5 分類しがたい「標本」
 6 欲望をかきたてること
 7 「ストゥディウム」
 8 悟り(傍点2字)
 9 不意に捉えること
 10 採集される人
 11 平板な死
 12 ポーズ
 13 鷹揚な精神分析
 14 「まなざし」
 15 分け隔てるもの、「歴史」
 16 飼い馴らされた「標本」
 17 「私的なもの」/「公的なもの」
 18 似ているということ
 19 光線、色彩
 20 明るい部屋

ベルナール・フォコンとロラン・バルト 竹内万里子
 1 「二重の不幸」から
 2 エテロロジー、あるいは異種起源学
 3 抵抗と構築

第5章 『明るい部屋』の時間

ロラン・バルト『明るい部屋』考察――写真の時間と「狂気」 滝沢明子
 1 写真と時間の関係
 2 「驚き」をもたらすもの
 3 「時間差」と「事後性」
 4 写真のなかの死
 5 時間からの解放

言語と写真――ロラン・バルトの『明るい部屋』における時間遡行の意義 松本健太郎
 1 言語とイメージ
 2 写真における“言語の外部”
 3 「温室の写真」
 4 写真と時間

写真、バルト、時間――『明るい部屋』を読み直す 長谷正人
 1 「瞬間」という神話
 2 プンクトゥムという時間
 3 写真的時間のダイナミクス

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

内島菫

6
各章のテーマが順に、『明るい部屋』のなか→光→真実→外→時間となっており、「なか」と「外」が前置きと幕間の役割を担い、読み進めていくうちに論考同士が引き起こす連鎖反応によって自ずと深められていくような構成。特に写真のもたらす「真実」と「実在」の関係、言葉と写真の関係、多元宇宙論まで彷彿とさせる写真と時間の関係、といった3点が気になった。バルトが晩年小説を書きたがっていたことと、ゼーバルトが始めから小説を書いていたこととをどうしてもつなげたくなるような一冊だった。2014/03/24

OKKO (o▽n)v  終活中

3
図書館 ◆バルト『明るい部屋』を読み解くためのさまざまな論考を集めた一冊 ◆多木浩二『眼の隠喩』第4章の購読当番に向け、すがりつきたい藁として借りてみるも、バルト初期の写真論と『明るい部屋』はきちんと切り分けて考察せねばならないことにすぐ気づき、「まいりました」で流し読みのみ。もちろんバルト本編もこちらも流し読みでなんとかなるもんではない。もう少しバルトを理解できるようになったらぜひ再挑戦しよう! 読めるようになる日が楽しみだ♪♪(読めるようになると信じている私は意外にも楽天家だったか?)2015/06/22

sibafu

2
大学教授や建築家などいろいろな方がロラン・バルトの『明るい部屋―写真についての覚書』について書いたものが集められた本。バルトの本を読み始める前に本書を読んでいたが、結局バルトの方を先に読み終える。バルトの本も難しいが、こちらもまた原典を難解に解説した文章が多く、あまり内容を覚えていない。しかしやはり『明るい部屋』は良い刺激だったのだ。一つ例を挙げるならば死刑囚を撮影した写真についてのバルトの言葉など。未来に訪れる死を待つ過去の死刑囚、それを見る現在の我々。過去に起ころうとしている未来、という時制の錯綜。2014/01/08

枕流だった人

0
船橋市立図書館

co2

0
長谷正人: ベルグソン的な捻じれた時間性の経験としてのプンクトゥム体験。そこでは、あり得たかもしれない歴史がひらかれる。ただし、それを経験するための一定の持続時間及びストゥディウムの必要性にも言及。2012/05/20

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