- ホーム
- > 電子書籍
- > コミック(少年/青年)
内容説明
戦世にあっても、沖縄(ウチナー)は優しかった。――日本(ヤマト)に強いられた戦争は、どこまでもつらくなった。だが沖縄の島々の優しさは、変わらなかった……。戦時下の沖縄を生きた人々の“命(ヌチ)の花”を描く、感動の読み切り集。9歳にして奉公のため売られた少女を描く2章「糸満売(イチマンウィ)り 姉の章&母の章」ほか、「ユタ」「世を捨てよ」を感動収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
喪中の寺ちゃん
29
うーむ…面白い。戦時中の沖縄の不思議な世界。糸満売りにカミアチネー(行商)、ユタ(霊能者)とユタ弾圧、最後は戦争に纏わる悪霊とユタのサイキックな祈り。3巻が無いのが残念である。日本が古俗と西洋文明の軋轢で苦しんだ近代に、沖縄の人達はさらに日本との軋轢があったのだと思うと悩ましい(戦後は米国との軋轢も!)。ヤマトが奪おうとしたはずの琉球らしさに、今やヤマトの人間が癒される自分勝手。沖縄の人が描いているからこそ、そんな琉球らしさに愛があるこの著者の漫画をもっと読みたい。そして美童物語の続き希望。2014/12/29
澤水月
19
かつては漁業などで栄えた糸満へ、北部から幼児が「糸満売り(イチマンウィ)」に衝撃受けた。9〜10沖縄旅で拠点を糸満にしたがとにかく寂れ廃墟ばっかり…今は昔。遊女でない人身売買もあり、男は漁、女は子守や商い。年期明けには主人の前で契約書を破る儀式など厳しいが人間味も感じられる気がするのは同じ島の者同士だからだろうか。民間・個人カウンセリング面強いユタ、公・集落の無事祈るノロの違いも分かりやすい。ユタ弾圧の生々しさ、戦争未亡人の狂気が痛ましい2017/10/06
たまきら
6
貧しい家の女子に生まれた、というだけで我慢しなければいけないことがたくさんあった。いや、今もある。娘だけでなく、すべての女子がいとおしい。強く、全ての逆境ですら利用して生き抜いていってほしい。老い衰えて死ぬときに「ああ、なかなかよくやった、自分頑張った」と言って笑って死にたい。2015/06/23
gelatin
6
★★★★★ 濃いめのレビューは1巻の方に書いたので割愛するが、今回、人にこの本を薦めようと思って探したのだが全然見つからず。仕方ないので古本で購入した。絶版?ほんとうに?これを絶版にしていいの?2014/03/28
sonettch
4
「世を捨てよ」という短篇中の、戦争未亡人である愛國婦人會會長の「この戦争は大義のためと信じたがってる奴らに、大義はきたないと教えてやるのだ」という本心の言葉が忘れられない。安倍自民党によるクーデターが進行中の現在、ぜひ多くの方々に読んでほしい。2015/07/19