内容説明
志穂子は、親身になってくれたダテコや尾辻玄市のおかげで梶井克哉と会えたものの、絵葉書の宛名が間違っていたことを知ってしまう。しかし、人と交わる暮らしを始めたばかりの志穂子に運命のいたずらが授けた力は、思い屈するすべての人に真っ直ぐ生きる勇気を与え、自らを「恋」の奔流へと導いていく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
93
後半は、18年の長い期間社会と断絶状況にあった主人公の女性が限られた人間関係の中で、葉書を書いてくれた男性について様々な情報を得て接触をやめようとします。ところが相手の男性の方がこの主人公にひかれていきます。家族や数少ない友人たちとのやり取りをしながら最後は・・・・・。2024/10/27
巨峰
45
上巻では、透明な天使のようだった志穂子が、世間の生活にも慣れ、生きる力を取り戻していくにつれて、いろんな欲や自意識ができてきて、周りの人を振り回すようになっていくのが微笑ましくおもいつつ読んだ。肉体をもった一人の女性として歩きはじめる志穂子の第一歩を、温かい目で描いた作者。ストーリー的にもなかなか先のわからない感じで、そう終わるのかという意外性もありました。でも、お父さん・お母さんが事実を知ったら怒られそうですねw2015/08/19
遥かなる想い
43
物語がきれいだが、宮本輝らしい描き込みがない。2010/05/09
ぐっちー
16
風になびく稲穂のように揺れたとしても、自分の意志を失わない志穂子。その純粋で強い心に、男たちは惹かれてゆく。恋の行方もさることながら、彼女の心の動きの描写がよかった。また、彼女の家族、友達の姿勢がそれぞれカッコよかったな。小説はここで終わりだけど、彼女の人生は始まったばかりだ。余韻にひたりながら、本を閉じた。2013/05/09
あんな
12
止まらず一気読み。選択に対して誠実に、誰にどんな影響を与えるかを想像しながらも選択から逃げない。つくづく、優しさって強さだなと思いました。 この本に辿り着いたのは、旅行でロカ岬を訪ねたからですが、実際に岬の先に立つと地の終わりを実感し、正直足がすくみました。しかし、地の崖から見ると怖い海も船で行けば渡ることができる、そうやって新たな始まりに差し掛かる自分に向き合う強さを物語から受け取った気がします。今は誰にもわからないけど、冬は必ず春になる そう信じて自分の新たな門出を逃げずに選択していきたいです。2024/02/28
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