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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
4
14ページの挿絵雪の岩溝(クーロアール)。落ちたら最後だ。日本経済社会もこんな感じと一緒に思える。こうした状況をみると、田部井さんとか、野口さんとか、登山家の皆さんはどうして命がけで挑戦できるのか、と思ってしまう。先ほどは手指が凍傷でダメになってしまった男性がTVに出ていた。「失敗の方が、どうも人の役に立っている」(76ページ)。昨日のSBCともラジで談慶師匠も言ってた。また思い出したのは、五木寛之氏の『下山の思想』幻冬舎、2011年。評者は登山でオヤジギャグ言ってたのも思い出したな。勇気と忍耐の人生訓。2012/12/23
Takashi Arai
2
氷河の話などが詳しく書かれていて興味深かった。最後のマッターホルン初登攀の話は、結末を知っているだけに途中で止められず60ページほどを一気に読んでしまった。2015/03/16
kinaba
1
ラスト、登山とは、特に未踏峰への挑戦とは人にとってなんであるか滔々と語る下りが圧巻でした。朗読で聞きたい。2014/07/23
梅子
0
登山の描写以外にも、氷河の浸食や「白痴」の原因への考察など、とにかく自由奔放に書きたい事を書きまくる。専門家の説に対して自説を自信満々に記しているところが面白い。昔の貧弱な装備と乏しい情報、迷信などによって困難を極めていたアルプスの初登頂競争に対して、迷信に左右されない新しい発想でマッターホルン初登頂を勝ち取った著者達には、山岳界の新しい時代の到来を感じた。ポーターも使った登山ではあるが、間違いなくアルパインスタイルはここから生まれたんだなと思った。2017/08/03
nox
0
山に関連して細かな雑学が出てきて楽しめた。下巻の登山は概ね楽に登れた感じだが、唯一マッターホルンだけは悲劇的な結末に終わる。山案内たちの仕事ぶりがよく書き表されていると思う。マッターホルンの登頂によってアルプス黄金時代の終焉が訪れたが、そこに至るまでに様々な物語があったのだなあ。アルプスの美しさについてこれでもかと描写されているので、行ってみたくなった。2023/04/17