内容説明
1878年、横浜に上陸した英国人女性イザベラ・バードは、日本での旅行の皮切りに、欧米人に未踏の内陸ルートによる東京―函館間の旅を敢行する。苦難に満ちた旅の折々に、彼女は自らの見聞や日本の印象を故国の妹に書き送った。世界を廻った大旅行家の冷徹な眼を通じ、維新後間もない東北・北海道の文化・習俗・自然等を活写した日本北方紀行。
目次
はじめて目にした日本の眺め
富士山の姿
混成の都市
日本のサンパン
人力車
滑稽な運ばれ方
紙幣
内陸旅行の障害
ハリー・パークス卿
大使の乗り物〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
hiro
68
電子書籍の合本版を読む。上巻分を読むのにも時間がかかった。英国人の女性が明治11年東京から北海道まで通訳の伊藤を一人伴って旅した紀行文。この本を知ってすぐに読みたくなったが、中島京子さんの『イトウの恋』を読み予習してから読み出した。現在の日本人が明治11年にタイムスリップして、イザベラと同じコースを旅できるかといえば、きっと蚊や蚤に襲われるような不潔な旅に耐え切れないと思う。それを考えるとイザベラはすごい。当時のありのままの日本を知ることができる貴重な本だったが、内容についての感想は下巻を読んだ後に。2020/11/07
Gotoran
67
既読の渡辺京二著『逝きし世の面影』で紹介されていた幕末・明治の外国人訪日日記の1つ(本書上下巻)。1878年(M11年)に来日した英国人女性旅行家I.バード。本書上巻では、東京から日光、会津若松、新潟、山形、秋田、青森、蝦夷・函館までの東北縦走の大冒険旅行記。江戸が色濃く残る田舎の原風景や庶民の素朴な生活が、険しい山道、粗末な食物、騒音と悪臭、無遠慮な視線、蚤と蚊の襲撃、大雨による増水等に悪戦苦闘しつつも、外国人の鋭い観察眼で、時に冷やかに時に温かく、生き生きと描き出されている。素晴らしいの一言!2016/06/27
アルピニア
60
1年かけて読了。横浜から江戸、日光、新潟、山形、秋田、青森を経て、蒸気船で函館に着くまで。女史の観察力と詳細な記述に驚くばかり。事物や人々の暮らし、風景が目に浮かぶようだ。住居の不衛生さや風貌に対する痛烈な批判はあるが、概して日本人の性質(親切、正直)を賞賛している。ときおり記されるキリスト教信者としての見解には、生きる世界の違いを実感させられるものの、その視線には、未知の異なる文明に対する敬意が感じられる。当時の地域の暮らし、文化を知る貴重な記録として、とても興味深く読んだ。下巻はいよいよ蝦夷編。2022/12/28
うえぽん
49
明治10年の日本を1400マイル陸路で旅した英女性旅行作家が妹に出した59通の手紙の記録等をまとめた書。他の情報源とも照合し、蝦夷など西洋人未到の地から京都、伊勢等の歴史を重ねた地まで人力車や馬で巡り、動植物や文化に係る豊富な知識を基に、時に赤裸々すぎる表現で、実体験した自然、衣食住、衛生、習俗、宗教・倫理観等を描写。伝道、食べ物・料理、蝦夷、東京、伊勢神宮については特別にコラム化して関心の高さを示す。最終章の日本の現況は短く明治初期の政治経済をまとめており、割と客観的な明治政府の政策の評価が観察できる。2025/10/19
Makoto Yamamoto
47
約150年前に来日した英国夫人のイザベラ・バードが横浜から北日本へ冒険旅行。 都会では清潔だが、田舎は不潔で生活のレベル差を感じている。 この時期でも日本は安全だったことが伝わってくる。 彼女は後年朝鮮半島も旅行するが、ずいぶん違っていて、当時と現代を比べてみると興味深い。 上から目線は気になったが、まあ当時としては仕方ないと思う。 つぎは下巻へ。2022/07/10




