内容説明
数と人間文化の関係を身近な例で解明。
ベストセラー『数え方の辞典』の著者による、数と文化、数と人間心理の関係をめぐるエッセイです。語呂合わせで数字を覚えるのは日本人だけ? 女が相撲の土俵に上がれない理由と「数」の関係は? 親の七光りはなぜ「7」なの? ヒット曲「千の風になって」が「万の風になって」だったらヒットした? 四択問題でいちばん正解率が高いのは何番? 二千円札が人気がない理由はなぜ? などなど、具体的で身近な例を挙げて、数が決して無味乾燥なものではなく、日本文化や人間心理と深く結びついていることを、わかりやすく肩の凝らない文章で解き明かします。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hnzwd
22
数字になんとなく持っているイメージがある、"八"ではなく"8"にが、キリのいい0よりも少し削られた印象が、というのにはなんとなく納得。百(もも)・千(ち)・万(よろず)で、千だけは多くのものが散らばっているイメージがある。だから、「千の風になって」はいけるけど「万の風になって」は嫌、ってのは結構共通認識では?2024/02/23
Humbaba
5
人はそれ程ロジカルに物事を考えているわけではない。それよりも、多くの状況では直感により評価を下すことになることが多い。数字は論理を形成するための大きな要素であることは間違いないが、それぞれの数字で相手に与える印象は変わってくることも事実である。2017/05/28
読書国の仮住まい
4
著者初読み。 知らず知らずのうちに数のイメージに意識を操作されてしまうことを、数のサブミリナル効果『数リミナル効果』と呼ぶと提唱している。 日本では会社の電話番号を語呂合わせとなっていたり、何月何日がいろんな記念日に制定されているのはこの効果のため。 百は諸々のものが集まり、整理制御可能な範囲。 百科事典、百貨店、百獣の王。 千は多くのものが散り漂っている、どこかで繋がっているさま。 千切れる、千歳、千尋。 万は箇箇のものがぎっしり詰まっている、あらゆる所に満ち溢れている。 万屋、万が一、万歳、万年筆。2021/08/12
michi44
2
キャッチャーなタイトルにひかれて読んだが、「アイドルのウエスト」なかなか出てこない。内容は数字を読んだ時、形として見た時の効果、効用。4は「し」「よ」「よん」「フォー」。「し」と読んで初めて「死」につながる。7も「セブン」と読んでラッキーなイメージに。八は見た目で末広がり。8は真ん中がくびれているので、アイドルのウエストは58が多い。ホンマかいな?2016/06/29
aochama
1
日本語の数にまつわるさまざまな蘊蓄が満載。知的好奇心が満足できます。タイトルの話題もありますが、サブタイトルの方が内容を適切に表してますね。意外なくらい数の数えかたで心理的な影響があったことに気がつきました。2020/12/19