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内容説明
鉱物資源の現在と未来を鋭くえぐる本。著者は日本で数少ないこの分野の専門家である。メタル資源は、発展途上国への依存度が高まりつつあり、すでに40%に達している。メジャーによる途上国における開発に伴っては、さまざまな問題を生じている。そのため、資源供給サイドの不安定要因はますます大きくなってきている(地政学的問題、政治的不安定性、資源ナショナリズム、環境問題、人権問題、労働問題、先住民問題、HIV問題、腐敗の構造など)。そこで世界のサプライ・チェーンの最上流で今「メタル・ウォーズ」ともいうべき争奪戦の問題が起きており、その中心には中国がいる。メタルが安価にかつ安定して手に入る時代は、石油と同様、終わった。世界における不安定なメタル資源事情に対して警鐘を鳴らし、いまだに資源は金さえ出せばいつでも買える単なる外部購入資材という位置付けで、商社依存体質から抜け出せない。それらの複合的な課題を明確に提示する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kentaro
2
ダイジェスト版からの要約 資源の中でも、とりわけレアメタルの需給が極めて不安定だ。原因は、ハイテク機器の需要急増を背景に (1)世界の資源囲い込みに狂奔する中国、(2) 国際資源メジャーの寡占支配の進行、(3) 資源開発が行われる産出国の不安定要因である。高度経済成長を続ける中国は、世界の 25%のメタル資源を消費している。中国は、いまや世界最大の消費国になったが、一方では主要鉱物の国内埋蔵量でも世界に冠たる資源大国である。埋蔵量で世界最大のものとしては、レアアース、鉛、亜鉛、タングステン、スズ等がある。2018/07/25
002
0
メタルメジャーに匹敵する力を持った中国、そして既存から存在し、M and Aを繰り返して寡占化を進めて来たメタルメジャーを資源別、土地別に解説している。2013/04/02
もふもふ
0
中国の資源外交の脅威、資源メジャーたちの経営戦略、そして資源採掘に伴う環境破壊についてが主な内容。文章もくどくなく読みやすかった。2009/10/24
かちを
0
☆☆☆☆☆2016/03/01