内容説明
ある遺跡で無数の赤子の骨とひとつの壷が発見された。その封印が解かれたとき、人類は未曾有の危機を迎えた。突如、東京では児童殺人が頻発する。そこには必ず虫が大量発生するという怪現象が……。その最中、ひとりの少女が身に覚えのない妊娠をした。頭の中では自分の子を産み、「ベルゼブブ」からこの世を救えという声が響きわたる。ベルゼブブとは? 前人未到の伝奇ホラーの扉が開かれる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アメマ
32
600数十ページにも及ぶ厚さとキリストもの伝記ホラーという事で、眉間にシワを寄せ序盤から大事に噛み締めながら読む。面白い。歪んだ世界観の描写は素晴らしく、お得意のグロ描写も斬れ味抜群だ。しかし田中啓文はこれで終わらないのだ!終盤は今迄のは何だったんだ!?とハチャメチャにブチ壊した展開になるのだ。もう東宝特撮シリーズなのだ。虫や臓物のグロさ、性的描写のキツいエロさ、架空の表現や駄洒落のくだらなさ。田中ワールド全開の超スペクタルキリスト伝記お下劣脱糞クソ虫ホラーはいい意味で裏切られた。☆3.52016/05/29
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27
*キリスト教伝奇ホラー*ついに見付けてしまった…その遺跡を…。辿り着いてしまった…無数の赤子の骨を抱く、あの壷に!! 世間をある事件が騒がせている。児童への虐待・障害致死だ!…だが、その遺体に必ず虫が大量発生する事実は世間には知られることはなかった…――やたらと残虐だったり、グロテスクだったりと肉体的に痛い描写が連発で有名な著者の田中氏。本作も躊躇なしのグロノンストップ状態でした!《昆虫が苦手な方はここでターンをオススメします☠》 ⇒続き2013/09/21
おすし
26
ハルマゲドン、キリスト教的終末をモチーフにした神対悪魔。2001年の作品だから1999年のあの終末気運が落ち着いた頃かと思うとなんか変な臨場感があるような。グロで淫靡で汚物まみれで何より虫蟲ムシ!エゲツナイことこの上ないのですが! スッッッゴイ面白かったです。私は、あなたは、清く正しく美しいですか清純無垢ですか人畜無害ですか聖人君子ですか。正義とは、悪とは。神とは?悪魔とは?…。深い…しかし不快(笑) 結構グサッとくる読み応えでしたが誰にもオススメできないのが惜しい~!2023/01/29
鬼灯の金魚草
14
読友変態家族お勧め。最初友成しぇんしぇえを読んでるのかと勘違いしてしまったが、だんだん田中ワールドになり糞尿の悪魔やら虫の大群やらで、孫鱈の丸やに至ってはもう笑ってしまった。いや〰面白かった。でもみんなにお勧めはできないかな、耐性ないとね。2016/06/01
Porco
9
多分「神」のスタンスからもメガテン好きには刺さりやすいと思う。同作者の『水霊』は神道系だったが、こちらは悪魔崇拝とかがモチーフのキリスト教系作品。初っ端から人が容易くばんばん死ぬわ痛めつけられるわと徹底して描写がひたすら醜悪で、厭な気分を通り越して不快(褒め言葉)になるホラーだ。ただ、意図して悪感情を持たせる書き方をしてる認識があれば割と読めるタイプの作品なので、痛々しいゴア系作品を楽しめるかどうかで感想ははっきり別れるとは思う。 (1/2)2022/07/18