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内容説明
武田信玄に仕える一方で、長尾景虎とも誼を通じようとした真田幸綱。
徳川氏の力を借りてまんまと上田城を手に入れた昌幸。
滅亡しつつある組織特有の固陋さによって献策が受け入れられず、悲劇的な死を遂げた信繁…。
智謀と勇猛さで戦国時代を生き抜いた真田三代の本来の姿を、日本有数の戦国史研究家が丁寧に描く。
近年の戦国・織豊期研究のめざましい進展や、新史料の相次ぐ発見を踏まえた新たな決定版。
虚飾を退けることで逆に新鮮な驚きと感動を呼び起こす。
信玄配下ながら長尾景虎とも誼を通じた幸綱。徳川軍の力でまんまと上田城を得た昌幸。献策が退けられた信繁の悲劇。三人の実像に迫る。
【著者紹介】
山梨県立博物館学芸員
目次
第1章 真田氏の興り(真田氏の祖「滋野一族」の実像;真田氏はいつ、どこで誕生したか)
第2章 真田幸綱の本領回復(苦難のはじまり;武田晴信への臣従 ほか)
第3章 真田昌幸の飛躍(武田信玄の近習時代;兄信綱の死と家督相続 ほか)
第4章 「犬伏の別れ」と上田合戦(東国の火薬庫、弾ける;豊臣大名真田氏 ほか)
第5章 真田信繁の悲劇(真田信繁の雌伏;大坂冬の陣 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ようはん
23
真田昌幸の実力は大河ドラマ真田丸でも描かれた天正壬午の乱や徳川勢を翻弄した2度に渡る上田合戦が知られているが、それ以前の武田家の部将としても長篠後に西方戦線が不利になる中、上野国を中心とした東方戦線を得意の調略で武田家優勢へ持っていった立役者であった。そういった活躍が出来たのも外様の子弟という立場から側近にして譜代格にする異例の抜擢をした信玄の眼力も大きい。2023/01/05
majimakira
13
長く取っておいた平山氏の真田家考察書。大河開始を期に、復習も兼ねて暫く紐解く。私は以前から信繁よりも信幸(信之)派であるが、改めて大阪城決戦の史実と伝記に触れると、信繁・大助父子の悲運に想いを馳せ、その無念を愚察し、胸が熱くなるのを止められない。真田家が好きだから当然だが…。大好きな信幸役が大泉洋氏と知って微妙な心持ちになった大河だが、この歴史的大義を映像で存分に楽しむべく、これからも毎週楽しみに待ちながら拝見したいと思う。2016/01/30
なつきネコ@つかれネコ
10
平山氏の別著『真田信繁』の研究成果に驚嘆したので手にとった。幸隆、昌幸の項は面白い。不屈の幸隆像が見える。子の昌幸も同じ不屈ぶりが伝わり過ぎたのかも、九度山に流された時に信之が残り、自分は隠居したと思ってもいいのに、そばの信繁を不憫に思ったのかもしれないが。いかに昌幸が信玄に愛されたか、まさに親族扱いから奉行衆と出世はすごい。しかし、信繁の項はいただけない、幸村で充分な通説のみ。浪人の中で三番手と言うが後藤又兵衛より優遇の結果が真田丸。官位のない後藤又兵衛と官位持ちの真田は扱いはかわるだろう。2019/08/26
珈琲好き
7
家康「時空を超えてあなたは一体何度―― 我々の前に立ちはだかってくるというのだ!武田信玄!」2015/08/10
buchipanda3
6
こちらも大河ドラマ「真田丸」の時代考証者の一人による著作。三代は幸綱、昌幸、信繁。やはり昌幸に多くが割かれ、幸綱も比較的書かれている。信繁は少なめだが、残存する史料への出現量からすると仕方ない。ただ、それまで淡々と幸綱、昌幸の苦労話が語られていたが、信繁の章は筆者の思い入れが感じられた(章題も悲劇となってる)。このことは筆者も後書きで吐露している。史実か判別できないようだが昌幸が信繁に託した対徳川の策略があるようで、見事な作戦に思えた。もし適用されていたら・・。そういうところが共感の元かなと改めて思った。2016/05/02




