内容説明
カネのない辛さにも、ニセモノをはめられるのにも、古伊万里をひろめたのにも、すべてに意味がある……。「開運!なんでも鑑定団」の名物鑑定士が、流転の少年時代、つらい修行時代を振り返る。失敗も人との出会いも、すべて自分の糧に……骨董を掘り出すように、人生も掘り出してきた著者の実践的骨董修行記。目利きの成り立ち、ホンモノとニセモノの見分け方、真のお宝のみつけ方など、実践から生まれた豊かな知恵と生きるヒント。骨董に限らず中島美学の神髄が満載。
目次
第1章 骨董小僧奮戦記
第2章 骨董屋になるまで
第3章 骨董小僧の修業時代
第4章 独立開業
第5章 古伊万里を世に送り出す
第6章 骨董街道をゆく
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
糜竺(びじく)
43
私自身は骨董には興味が無いのですが、友人が骨董が好きで色々話を聞いていて、一体どんな世界なのだろうかと知識を広げる意味でも、読んでみる事にしました。著者はテレビ放送の「何でも鑑定団」でおなじみの中島誠之助氏です。中島氏の骨董屋になるまで、骨董屋になった後、そしてやめた後、と半生について記されていました。色んな人との出会いや、仕事上での失敗、また成功、様々な事が一冊の中に凝縮されていました。また、骨董業界の裏側についても、何となくですが少し知る事が出来た気がします。つくづく色んな世界があるなと思いました。2016/07/13
ホークス
37
2007年刊。なんでも鑑定団の中島氏による自伝と骨董話。過去の本よりグッと赤裸々なものが読めた。親族や骨董業界のネガティブな話が多い。骨董を仕込まれた養父への愛憎は強烈だった。虚実は分からない。感覚の古さや身勝手な点もある。多少傲慢でもある。しかし、人間誰でも暗部はあり、過去は変えられず、中島氏はこう感じて書いた、その事実がゴロンと転がっていて小気味よい。キレイではないが澄んでいる。人間の活力にはニセモノも必要、と言う率直さは好ましい。私の方も勝手で、骨董は集めないクセに美しい物は見たいと思っている。2024/02/14
ヨータン
9
著者の波瀾万丈な生き方も骨董の世界も興味深く読みました。そして目利きになるには絵画でも陶磁器でも建築でも世の中で良いと言われているもの、国宝や重要文化財などに指定されているものを見続けることというのは参考になりました。2021/06/07
B.J.
8
●骨董屋の修行での第一歩は、風呂敷の包み方を仕込まれた。⇒一芸はすべてに通じるから、風呂敷の下手な奴は目が利かない。風呂敷のうまい奴は、掃除もうまいし、靴を磨かせてもうまいし、ものも良く見える、だから商売もうまい。 ●若い頃、ニセモノをはめられたことがあった。そのときは、はめた業者のところに菓子折りをもっていき、「お陰さまで儲けさせていただきました」といった。その時の敵の顔といったら。 ●「なんでも鑑定団」:ニセモノであってもダメのお墨付きは与えない。・・・本文より2020/02/18
B.J.
5
●茶器を扱う道具商は、骨董業界の王道。現在も同様。 ●若い頃、ニセモノをはめられたことがあった。そのときは、はめた業者のところに菓子折りをもっていき、「お陰さまで儲けさせていただきました」といった。その時の敵の顔といったら。 ●人間は生きているから値打ちがある。だから、ものを残すのではなく、生きているときに十分味わう。人間には生しかなく、生きている人間がいかに幸せに、楽しく豊に暮らせるかで自分の存在があるのではないでしょうか。・・・本文より2020/03/09
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