出版社内容情報
精神科医で翻訳家。
二つの筆致による初めての論文/エッセイ集。
エッセイなど11篇+各篇への書き下ろし「あとがき」
忘れてしまったら記録もされず消えていくばかりのことが案外あるもので、せめていつか思い出せるようにとこれまで文章を書いてきました。――「はじめに」より
内容説明
精神科医で翻訳家。二つの筆致による初めての論文/エッセイ集。
目次
妄想のもつ意味
八丈島にて
スキゾフレノジェニック・マザー
戦時下の松沢病院
登戸刺傷事件についての覚書き
『もう死んでいる十二人の女たちと』/『不安―ペナルティキックを受けるゴールキーパーの…』
ペンをとった理由
『精神病理学私記』について
対談:ゴンサロ・M・タヴァレス 小説『エルサレム』をめぐって
その警官、友人につき
アメリカと祖父のシベリア
著者等紹介
阿部大樹[アベダイジュ]
1990年新潟県柏崎市生まれ。2014年に新潟大学医学部を卒業後、松沢病院、川崎市立多摩病院等に勤務する。訳書にH・S・サリヴァン『精神病理学私記』(須貝秀平と共訳、第6回日本翻訳大賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ルピナスさん
66
精神科医であり翻訳者である阿部大樹氏が、これまで書いてきた論文やエッセイに新たに後書きをつける形の本書の内容はバラバラで、淡々とした独り言を聞いているよう。でも、所々にハッと現れる本質を突いた表現や切り口に、著者が感じた矛盾や静かな怒りを受け取り、暫く心から離れないという不思議な感覚に捉われた一冊だった。フランス人の父を持ち、原発のある街で育ち、シベリア抑留から帰還した寡黙な祖父を持つ。小さなピースが重なり合った環境の中で今の自分が形成されているという気付きは自らにもあてはまり、ここ数日色々と考えてしまう2023/03/04
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