内容説明
大正から昭和初期、サイレントからトーキーに移行する時代の日本映画の表現形式をさぐるとともに、さまざまな領域から映画に関与した人々や、勃興する映画雑誌をとりあげて、モダニズム時代の映画とその周辺文化を描く。
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目次
プロローグ 雑誌『蒲田』と松竹モダニズム
1 サイレントからトーキーへ(接近と離脱―クロースアップの思想 連続と切断―モンタージュの思想 トーキー初期の表現 連鎖劇からキノドラマへ 和製ミュージカル映画の誕生)
2 異領域から映画へ(権田保之助―社会学者の映画観 小山内薫―演劇人の映画実践 寺田寅彦―物理学者の映画論 村山知義・中井正一・清水光―モダニストたちの映画美学)
3 映画雑誌の誕生と批評の展開(『活動写真界』の創刊―現存する日本最古の映画雑誌 『キネマ・レコード』と帰山教正―日本映画批判の急先鋒 『活動画報』と大正期の映画雑誌―創刊ラッシュの時代 『キネマ旬報』の創刊―映画雑誌の黄金時代 『キネマ旬報』の成長―記事と批評の確立)
エピローグ 溝口健二と傾向映画『都会交響楽』
感想・レビュー
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rbyawa
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i112、サイレントというのはいわゆる無声映画のことで、トーキーというのはまあ「音入りの映画」。あくまで無声映画と比べての呼び方なので自然に消えてくのも無理もないし、そもそも音入りが出来る前にサイレントって呼び方したのかも微妙だよね…活動写真ってほうが理解しやすい。まあ、あくまでどちらの技術にしたところで日本は受け身であり、無声映画もあくまで記録媒体としての扱いが一般的で芸術表現としては好事家向けだったみたいだしな。黎明期に関してがばらばらと詰め込まれたような体裁の本で、面白かったのは連鎖劇くらいかしら。2018/12/09