内容説明
京都を訪ねる人をおびえさせる、《京都人のイケズ》。いろいろ誤解はあるけれど、その真相はもっとすごい? 信じがたく恐ろしい爆笑エピソードから歴史的分析、誤解のツボと真相、声に出して読みたい京言葉、古典的名著のイケズ語訳まで、誰も語らなかったウラ・深層・ホンネ。千年磨かれた言葉の至技《イケズ》を「まま、存分に笑って楽しんでおくれやす」。よそさん必読の傑作エッセイ!
目次
イケズってなに?―イケズは陰険・意地悪・皮肉・イヤミ…なのか
「ぶぶづけ」の誕生―恐怖伝説のかくされた真実が、いま明かされる!
よそさん、イケズに出会う―誘って、拒んで、迷わせる…ほんまにイケズな京のひとびと
京はイケズの賜―京都ラッパーより愛・愛・愛をこめて
イケズ七変化―京都ことば講座(1)「よろし」「そやねえ」および畳語の活用例
イケズの女王―いづれの御時にかイケズあまたさぶらひ給ひける中に
イケズ解放の技術―京都ことば講座(2)反語的表現と波状攻撃のテクニック
「いらんこといい」の悲しみ―イケズに命をかけた、筋金入りの京都人たちの系譜
幸福に至る病―住みにくいこの世もあの世も、前向きに生きるために
イケズの名前―兼好法師、三島由紀夫、シャネル、コクトー…万国イケズ名士録〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
327
そういえば京都の人間からもあんたイケズやなぁとよく言われる私だが、本当にイケズな人はもっと手強い。2017/03/19
おいしゃん
38
謎に包まれた京都人特有の「イケズ」。単なる嫌味ではなく、言葉遊びを込めた応酬なのかもしれないと感じた。 中でも、本書で紹介される「注意」➕「イケズ」➕「いらんこと」という、イケズな注意の仕方は興味深い。2020/10/12
tamako
22
アメリカとイギリスで長く働いてた同僚から、両国のキャラはだいぶ違うと事例を聞き「イギリスは日本で言ったら京都みたいな感じ?」と聞いたらドンピシャだった。本書にもシェイクスピアの話がいっぱい出てくる。京都出身の同僚が言うには、イケズは相手に伝わっても伝わらなくても自己満足だから良いんだって。「よそさんやし」って馬鹿にされてるんだろうなあ、私も。あと、京都と縁もゆかりもない道産子で流れるようにイケズを発射する同級生を思い出した。イケズを言えるようになってみたいが私には多分無理。2021/12/31
梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」
19
前半と最末端で、京都のイケズをわかりやすく解説してくれた。しかし、半ばから後半は京都から話題が逸れて、言葉を埋めているだけではないのか。旨くない食べ物を口に詰め込まれている印象。自分にとっては買ったことは失敗。もう少し京都そのものの歴史やそれに関するエピソード、文化に関する話を読みたかった。2020/07/14
佐々陽太朗(K.Tsubota)
18
笑えます。『イケズ』でしかも『いらんこといい』の京都人の持つ陰翳、隠微な心の襞が垣間見え、それを笑いながらも、我々、非京都人(よそさん)は「ひょっとして自分は単純バカの田舎者ではないのか」と冷や汗をかきます。考えさせられます。あまり考えすぎると疑心暗鬼になり情緒不安定になります。2009/06/12