内容説明
アリスは滞在中のイタリアで実業家のドメニコと出会い、彼の熱烈な求めに応じて共に暮らし始めた。そして六カ月後――。あなたとの生活に楽しみがなくなったと言い放ち、彼との関係を一方的に断ち切って、故国イギリスに帰った。実際はそんな軽い気持ちではなかった。ドメニコが、絶対に結婚はしないと宣言していたことに加え、彼に新しい愛人ができたという噂を聞いて、身を引いたのだ。案の定ドメニコは、はるばる彼女を追ってきた。つかの間、彼との将来を夢想したアリスだったが、彼に欲望の対象としか見られていないことを思い知らされる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
糸車
23
見事なすれ違い。一緒に暮らしていながらお互いの気持ちを伝えることもせず、別れる時でも本音を言えず…、自分だけが相手を愛していると思い込んでいるから自衛しちゃう訳ですが。追い詰められ、狭い空間で登場人物もほぼふたりだけで理屈っぽいやりとりをくりかえすのがこの作家さんの特徴とも言えるんだけど、そうなると主人公に感情移入できるか、魅力を感じるかがとても重要。ヒロインを大切に思っているのに言葉が足りないので行動をいちいち曲解されちゃうヒーロー。凝り固まってはりねずみみたいになっちゃうヒロイン。ううむ、じめっぽい。2018/10/01
糸車
21
@本棚整理中。ドナドナ候補の棚からわざわざ再読。悪くはないんだけど、なにか足りない。とかいいつつ、最初から最後まで読んでしまう。駆け引きじゃなくて必死の思いでヒーローと別れ話を切り出したヒロイン。もしかしたら追いかけてくれるかと思う気持ちは分かる。最後の最後まで本当のことを言えないヒーローの事情もまあ…、理解できるか。さて、どうしましょう。どこに置こうか。2019/08/05
やまと
4
うーんなんだろ、ヒロインにもヒーローにも魅力を感じませんでした。 自分の気持ちを伝えていれば、すれ違わなかったんだろうけど、複雑な理由がるので 仕方ないのかな?お話自体はサラッと楽しく読めた。2015/05/07
たまきら
1
暗い過去を持つイタリアの実業家、自分探し中に彼と出会って同棲を始めるヒロイン。妊娠騒動、それにともなう結婚騒動…といった設定です。 しっかり自分を築いている女性が好みだと、このヒロインは流されているように感じてしまうかもです。2014/05/29
こえん
1
ヒロインはどう考えても頭がいいとは思えないし、判断力があるとも思えないタイプで彼女のモノローグは読んでて疲れた。ヒーローも秘密主義すぎて発言に一貫性がないように見えたのがいまいちだった。2009/10/02