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内容説明
日本の近代批評の創始者であり、確立者でもある小林秀雄――。厳しい自己鍛錬を経て記されたその言葉は、没後二十余年の今日なお輝きを増し続け、人生の教師として読む者を導いている。人間が人間らしく、日本人が日本人らしく生きるためには、人それぞれ何を心がけ、どういう道を歩んでいくべきか。八十年の生涯の膨大な作品の中から選り抜いた、魂の言葉四百十六。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コウメ
71
いい言葉がいっぱいあった。小林秀雄さんが書いた本から書いてあった。/宿命というものは、石ころのように従来にころがっているものではない。人間がそれに対して挑戦するものでもなければ、それが人間に対して支配権をもつものでもない。/人は様々な可能性を抱いてこの世に生れて来る。彼は科学者にもなれたろう、軍人にもなれたろう、小説家にもなれたろう、しかし、彼は彼以外のものにはなれなかった。これは驚くべき事実である。2019/05/19
コウメ
69
/関心することを怠りなく学ぶ事。関心するにも大変複雑な才能を要する。関心する事を知らない批判家は、しょっ中無けなしの財布をはたいている様なもの。/広く浅く読書して得られないものが、深い狭い読書から得られるというのが通則。/女というものにはとてもかなわない。男は誰でも腹の底ではそう思っている、思っているというより本能的にそれを感じている。男にはかなわないと女は言うが、それはほんの世俗的な意味で言うので、腹の底では男なんかなめているに相違ない、と男感じている。しかし、未だに男や女を知らない女も男も解らない。2019/06/12
双海(ふたみ)
22
以前読んだなぁと思う文章と今回初めて目にする文章と。そういえば三冊目になる読書ノートもそろそろ終わりそう・・・。新しいノートを準備しておこう。2015/02/04
おせきはん
19
小林秀雄氏の著作から416の言葉が抜粋されています。難解なものもありましたが、人生や物事の考え方などの本質を捉えた深くて力のある言葉が多く紹介されていました。久しぶりに著作に再挑戦しようという気持ちになりました。2020/09/16
壱萬弐仟縁
15
今年のセンター国語で小林秀雄ショックが起きた(難問)とのこと。「広く浅く読書して得られないものが深く狭い読書から得られる」(47頁)。評者も深く狭い読書は論文を検討することだと思うが、本サイトでは前者であったことは否めない。「歴史とは、無数の『私』が何処かへ飛び去った形骸である」(144頁)。自分史の意味をも考えさせられる箇所か。「人生とは極めて真面目な芝居であり、出来るだけ上手に芝居をしようとする努力が人生そのもの」(149頁)。人生舞台の主役は他ならぬ自分。観客は家族かもしれないが、黒子は親かもな。2013/04/02