内容説明
「匿名で官能小説を」という「小説現代」編集部の注文を承けて、表題作を書いた。最初は一度かぎりの企画物のつもりだったが、ハマった。2作目以降は、志願して短編を書き継いでいった。全6編。いずれも、夫婦の物語。官能小説。妻に対する夫のゆがんだ――でも、だからこそまっとうでありうるはずの情欲を描いた。小説の書き手として、これらの物語を僕は欲していたのだろう。今後も夫婦や家族の物語を書きつづけたいから、性から逃げたくなかった、のかもしれない。(重松清)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
390
6つの作品からなる連作短編集。これらは官能小説と捉えられることが多いようだが、そうではないだろう。もっとも、性愛を真っ向から取り上げており、重松作品にしては異例の部類だ。しかも、ちょっとアブノーマルなのだ。いずれの作品も二人の関係は夫婦なので、愛が前提になってはいるのだろうが、これらは徹底して男性からの視点である。したがって、女性が性の対象物と見なされる傾向にあることは否めない。最初の2作などは、これまでは清楚な妻が突然に…などというシチュエーションは、まるで3流のポルノグラフィーみたいだ。また、⇒2018/06/13
じいじ
116
孫の国語の教科書にも登場する、あの重松清が書いたのか?、と一瞬疑った。だが、間違いないだろう、親しみのある解りやすい文体は彼のものだ。内容的にはかなりエロい仕上がり、性描写も鋭いです。しかし、持ち味のユーモアセンスに富んでいて面白い。私は好きですね、この重松清の官能小説。氏には申し訳ないが、重い小説を読んで疲れた頭の癒しには恰好な一冊だと思います。読了後、タイトルに魅かれて妻に「この本どうだい?」と勧めようかと思いましたが、さすがにこれはダメですね。(笑)。ひと味ふた味違った官能小説で面白いです。2016/12/11
舟江
106
初めて読む作家。内容は官能小説の短編集。数々の文学賞を獲得している重松清が、何でこの本を書かなければならなかったのか、しかも40代前半で。この手の本は、読む方も恥ずかしいが、書き手はもっと恥ずかしいと思う。しかし「饗宴」を読んで、ホッとした。遊び心をわきまえている。この遊びが無ければ単なるエロ作家である。それにしても一寸若過ぎる官能作家デビューであった。2015/06/17
at-sushi@進め進め魂ごと
104
著者の、時に暑苦しさを覚えるような文体で官能小説を書くと、やはりこういう直截的な描写になるのね。 ひたすら妻を虐めぬき悦ばせる夫たち、見習わねば!って、爽やかな日曜の朝から何書いてんだ俺w しかし、直木賞作家でもあり、女性や若い子にもファンを持つ押しも押されぬ大御所が、同名義でコレを世に出すのもチャレンジングなら、コレを開架コーナーに置く我が市立図書館もチャレンジャーであるw 【※以下重要なネタバレ】 クララが勃った! 2017/07/09
あすなろ@no book, no life.
92
夜な夜な読書本として。うーむ、これがあの重松氏⁈という作品集。そして、一番実は興味惹かれたのは、ラストの文庫版のためのあとがきかな。横山やすしさんがお好きで、自らの中に潜むやすし師匠が、重松の正味見せたらんかい、とばかりに己を唆し、自ら官能小説と銘打ち本作品を上梓したとのこと。ま、確かにその通りの作品群である。2022/06/12
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