内容説明
奇術師・旭日斎天馬一座の目玉の出し物は「トランク抜け」だが、抜け出すはずの一員が死体となっていた。二人目の犠牲者はピストルで撃たれ階段を転げ落ちた。マジック・コンテスト優勝賞金の独り占めを目論む天馬。しかし、その姿は、密室空間から忽然と消えていた。(表題作) 赤、白、青、三つの「密室」傑作を含む中短編集。消失トリックの白眉を天才・星影が斬る!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
66
短編集。星影龍三ものは基本的に安楽椅子探偵で、今回は赤・白・青の密室三部作もので特にそれを楽しむ事が出来る。「赤い密室」「白い密室」は既読で「青い密室」は初読。前二作に比べて劣ると聞いていたが、密室が成立してしまった事により犯人が判明する事とかチェスタトンのあの論理思い出す内容等、個人的には結構好き。評判は先二作が優れているせいかな。ただ残りの作品は微妙。「黄色い悪魔」はそれで殺せるのかという疑問が、表題作は安直すぎてそれはないだろうというトリックが使われているし。密室三部作のために読む価値はあります。2022/01/27
ゆう
24
いただきもの。星影龍三シリーズ短編集。前に読んだ星影氏はまさかの登場の仕方だったけど、今回はしっかり登場してた。3つの密室はどれも面白いけど、赤が一番好きかも。2017/12/08
coco夏ko10角
22
星影龍三が登場する6つの作品収録の短編集。星影龍三ってこんな感じだったっけ?えりにスイートピー…。『密室ミステリの迷宮』で気になってた『赤い密室』がやはりよかった。これ当時すごかっただろうな~。2017/09/27
ミーホ
16
[星影龍三シリーズ2]鮎川作品を読みたいと思うきっかけとなった「赤い密室」のみ既読。白、青と三部作だと知らずに読んだのでお得感満載な短編集。でも有名なだけあってやっぱり赤が一番面白い!!色つながりの「黄色い悪魔」のリルちゃんは「りら荘事件」のリリちゃん("り"ばっかり)みたいでいい!!鮎川先生はこういう気の強い女を書くの得意なんだろうか。表題作は珍しく先が読めたけど、鮎川作品の世界と奇術師が絶妙にマッチしてて好き。ラストの「妖塔記」も不思議な余韻を残す。なんだ、全部いいんじゃんかw2015/05/18
ココノビエガク
11
星影龍三シリーズの三冊目。相変わらず星影さんは格好いい。青、赤の密室と、内容がかなり被っているので、新鮮さがほとんどないのが気になる。表題でもある「消えた奇術師」は、途中までは本当に面白かったのだけれど…個人的には避けられるものなら避けて欲しい結末であった。筆の上手い方なので、短編でも十分に謎解きの妙味を味わえるのが楽しいところ。短いため複雑さはないが、まっすぐで論理的な解決には胸がすく思いがする。2017/09/26
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