内容説明
いま日本の一部ビジネスエリートや高学歴層のなかで、極小の国家と最大の自由を目指す人びとが、確実に増えている。その名は「リバタリアン」。「日本史より世界史を教えろ」「福祉は国による強奪である」などの主張の背後には、人間の欲望への深遠な洞察と、自由への限りない憧れがある。「リバタリアン」の思想を理解してこそ、日本の将来が浮かび上がる。右翼でも左翼でもない「リバタリアン」への格好の入門書。
目次
1 日本の政治の現状とリバタリアニズム(小泉構造改革の勝利とリバタリアン;「小さな政府論」の背後にあるもの ほか)
2 リバタリアンな社会とは(現代国家の役割;古典的リベラリズムの変質 ほか)
3 リバタリアンの倫理(リバタリアンは身勝手な人たちなのか?;慈善活動は自発的に ほか)
4 国家の起源とアナーキズム(ダーウィン以前の社会哲学の曖昧な前提;ではいったい利他性はどこからくるのか? ほか)
5 社会契約説を再考する(税を払わない永遠の旅行者;日本の財政破綻で日本脱出 ほか)