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内容説明
改憲か護憲か、親米か反米か、愛国心は是か非か──。左右イデオロギーの対立軸だけで国家を論じるのは思考停止だ。著者は、日本の過去五百年の歴史をふまえ、二つの独創的な視点で国家を論じようとしている。一つは、日本という国のとりうるかたちは、三つのモデルに集約されるという視点。つまり、信長型の「国際日本」、秀吉型の「大日本」、家康型の「小日本」という三つのモデルで考える国家論を披瀝する。さらに二つ目の視点は、日本は常に、三つの主勢力(中国・ロシア・西洋)との距離のとり方によって国運が左右された、という指摘。そして、この「三つのモデル」と「三つの主勢力」という枠組みから、憲法第九条、集団的自衛権、核武装論、六カ国協議、への対応策を導き出す。著者の専門は文化人類学であるだけに、イデオロギーにとらわれない地政学的発想が新鮮である。まさに、「右翼」も「左翼」も語らなかった独創的な国家論といえる。
目次
序 なぜ、いま「国家論」なのか
第1章 右であれ左であれ、あなたの日本
第2章 国際日本・大日本・小日本―室町から戦前までの日本の国家モデル
第3章 中国・ロシア・西洋という脅威―三つの主勢力による東アジアの地政学的環境
第4章 戦後日本の夢と現実―敗戦から第一次イラク戦争まで
第5章 右も左も傷ついた「戦後・後」の日本―冷戦終結・バブル崩壊・第一次イラク戦争
第6章 戦争をしない方法、勝つ方法―集団的自衛権・憲法第九条の問題
第7章 「中庸国家」という日本の針路―世界とどう向き合うか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
90
祖国としての日本を見直せる1冊だと思います。小日本、大日本、国際日本として、過去、現在、未来の日本を述べていく。右や左という視点から離れることで、文化人類学専門という立場から日本の位置づけが整理されていると思います。テーマとしては難しいですが、見方ひとつ変えることで興味深く読めました。2016/09/25
kokada_jnet
73
著者初めての新書レーベルからの刊行という。ジョージ・オーウェルの『右であれ左であれ,わが祖国』から題名を借りている。戦国時代以来の日本の国家モデルを、信長型の「国際日本」、秀吉型の「大日本」、家康型の「小日本」にあてはめて分析。この3パターンの分析、Youtube動画で、真似して語っていた「論客」を見たことがあるような気がするが、この本が元だったのか。「現実的な分析をする」という著者自身が言っているから、驚くような結論がでないのが、当たり前の本。2021/12/05
shiorist
3
視点がひとつ増えたようですが,解決策はあまりないようで。2010/02/01
遠山太郎
2
文化人類学者「「日本人論」再考」の作者の一冊。あとがきから「長年、頭の中で、日本を「国際日本」「大日本」「小日本」という三つのモデルで考えてきて、すこぶる便利だった。ただあまり単純過ぎて人には言えない、と思って来たのだが、ここにきて、ますますその図式で日本がよく見える。とりわけ現在、右とか左とかのレッテルが意味をなくして、いわゆる「左翼」が戦後すぐに得た「既得権益」などの保守を唱え、「右翼」が革新派として「(市場の)自由主義」を叫んでいるこんがらがった状況を、..」(続く2011/04/28
カツ
1
まあまあかな。2018/04/02
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