内容説明
助産所を営む母に居候を決めこむ見知らぬオカマ。実家に帰省した私を包み込んだのは、そんな彼女たちのくふふふという温かな笑い声だった──。ヘッポコ助産所ではぐくまれる母とオカマと私の物語。受賞作に書き下ろし作品「僕らのパレード」を加えて、2006年11月『ゆくとし くるとし』として単行本化(マガジンハウスより)。表題作のみ2011年12月に電子書籍としても刊行。
(電子書籍版には「僕らのパレード」は含まれておりません。)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイ@2019.11.2~一時休止
138
デビュー作。中編が2編。どちらもホロッときてイイ話だった。2016/03/22
ミーコ
71
『僕らのパレード』とても心に響きました。切なくて悲しいけど、心が暖まるお話・・・。心の森の動物園 こういう表現、イイですね サムくん 悲しすぎる出来事を封印してたのか…と思うと泣きそうになりました。よんちゃんの手紙 ちゃーんと受けとめて、成長して行く姿が印象的です。観音崎先生も良い味 出してました。2016/01/30
kazu@十五夜読書会
71
東京の大学に進学をしたトリコだが、目的を見失い留年が確定してしまう。その報告を含めての年末の帰省で、実家に帰るがそこには、母と仲良くコタツに入っているオカマのミカがトリコを迎える。何故オカマが居るのか説明をしない母と聞かない娘。掃除以外は家事がまったくだめな母と似た娘を前に、住み込みのミカがおせち料理を作り正月を迎える。オカマのミカを交えての出来事で、母に初めて聞いた自分の事。「長年の親子やし、似るんかもしれんわ」「そっか」「そうや」短い言葉のやり取りで通じる。母がいかに自分を信じ愛されているかを、、、 2013/01/04
hirune
66
海が見たい ひとを愛したい かいじゅうにも心はあるのさ♪ 「かいじゅうのバラード」懐かしい(*^_^*)昔NHKのスタジオ101で歌ってた♪真夜中のパン屋さんのソフィアさんとこだま君に再会したような気分。思い詰めて心が迷子になったなら、落ち着いて周りを見回せば道が見えてくるよ、っていうお話しかな。2014/02/02
ぶんこ
65
読んでいる時には心ほっこり。読み終わってみると色々と考えさせられました。中編2編のどちらにも世間一般からみたら(私が予備知識なくみたらですが)身構えたくなるような設定です。ゆくとしのお母さん、パレードのサムのような広い心、受け容れる器のある包容力。猛烈に欲しくなりました。トリコや紺野くん、アヤエのような心傷つき悩める人を慰め、信じ、くふふと笑いあって過ごせたら素敵と思うようになりました。トリコのお母さんは掃除好き、捨てるの好き。そこだけが似ているだけなのに、それでも似ているところがあるって嬉しい。2017/03/10