内容説明
人体を発火させる黴、口腔に寄生し人を人肉喰いに走らせる蠕虫、そして性交渉で感染し、人を殺人鬼に変える「666」に似た形体の謎のウイルス。街に解き放たれた病原体は、黙示録が預言した終末へのカウントダウンなのか――。人々を恐怖に陥れる巨大な陰謀とは? そして立ち向かう孤独な医師の決断とは? バイオテロをも予見した、牧野ホラーこれぞ最高傑作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Yuna Ioki☆
32
初読の牧野修作品。何が一番怖いかって言うとやはり生きた人間だなあ。病気よりも洗脳や人体実験の方が数段怖い。最初は蔓延しそうな奇病を力を合わせて撲滅していく展開なのかなと思ってたいたのだが意外な方向へ。救いがあまりない展開。唯一の救いは関係者が居なくなってこれ以上の奇病による被害がでる可能性が減ったことくらいかな。2013/12/21
じゅんぢ
28
病気一つ一つにインパクトがあって面白かったけど、病気の怖さをあまり感じられなかった。2019/11/07
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19
**ホラー**付着したものを発火物に変える可燃性のカビ、口腔に寄生し人を人肉喰いに走らせる蠕虫、そして性交渉で感染し人を殺人鬼に変えるウィルス…。突如として現れた"それら"は、社会を、家族を、恋人を、一瞬で豹変させた!この世界には、もはや救いは無いのか…!?――専門用語を駆使した説明が、嫌になる程、物語に現実味を与えていく。そして、どんな恐ろしい病よりも、人間の方が百倍恐ろしい存在である事実に同意を禁じえない。本当に病んでいるのは、ウイルスでもなく人間だったことを強い説得力で読ませる良書!2013/06/05
椛
13
人体を発火させる黴、口腔に寄生し人を人肉食いに走らせる蠕虫…。読んでるだけで痛いし、鳥肌がたつ描写。けれど、読むのを止められない。2014/07/07
雑感
12
痛みや不気味さ、悪意を単純な言葉で、なおかつとてつもないバリエーションで的確に描写出来る方が好き。なので平山夢明さんとか牧野修さんのその手の文章には大喜びで飛びついてしまう。「人体を発火させる黴、口腔に寄生し人を人肉喰いに走らせる蠕虫、性交渉で感染し、人を殺人鬼に変える謎のウイルス」……架空のこれらをいかにもホンモノらしくそれっぽく作り上げ説明し物語の中にぶち込む手腕や、要所要所に訪れる驚き、息もつかせぬ展開に大満足。個人的にはCASE5の7~9の展開が大変に美味だった。2017/08/31