内容説明
実験で知る科学史。科学史(特に物理学)に残る著名な実験のうち、物理学誌の読者投票で選ばれた最も美しい実験のベスト10を式なしで説明し、美しさのポイントを絵画の鑑賞のように易しく解説します。実験の背景となる理論や、実験の概要を説明した後、著者が美しいと感じた理由やトリビア的な知識を開陳します。扱っているテーマは、エラトステネスの地球の外周の長さを求める実験、ガリレオがピサの斜塔で落下の法則を確認した実験、ガリレオが慣性の法則を確認した実験、ニュートンがプリズムで確認した光の分散の実験、フーコーの振り子による地球自転を確認する実験、ファインマンの量子力学に関する2重スリットの思考実験など。
目次
移り変わる刹那
世界を測る―エラトステネスによる地球の外周の長さの測定
球を落とす―斜塔の伝説
アルファ実験―ガリレオと斜面
決定実験―ニュートンによるプリズムを使った太陽光の分解
地球の重さを量る―キャヴェンディッシュの切り詰めた実験
光という波―ヤングの明快なアナロジー
地球の自転を見る―フーコーの崇高な振り子
電子を見る―ミリカンの油滴実験
わかりはじめることの美しさ―ラザフォードによる原子核の発見
唯一の謎―一個の電子の量子干渉
1 ~ 1件/全1件
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行雲斎の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
匠
120
科学実験をするのも見るのも、美しいものを見るのも大好きだ。しかし実験が美しいって何なんだろう?そう思って読み進めていくと、実験の内容を詳しく説明しているのではなく、科学における美とは何か?を哲学的に解明しようとしている姿勢が面白かった。ただこれを読んで誰もがその実験に美しさを感じるかどうかは疑問だし、美しさをどこに置くかは個人差があると思うので、ちょっと強引な感じではあった。選ばれた10の実験はガリレオやニュートン、フーコーなどが行った有名なものばかり。なので科学史を読むようなつもりでなら損はないと思う。2014/05/15
小木ハム
23
なぜ科学実験が美しいのか?翻訳者の青木薫さんは第4章の最後″光は屈折するときにその色を変えない″というニュートンの言葉に何故か涙がこぼれたという。真実を見つけた科学者の言葉は、根源的で、シンプル、そして決定的だ。バラバラに散った線を一本に集約して梯子を掛けるような創意と工夫、美が必ずしも輪郭を指すものではない事をこの本は教えてくれる。10の実験の中では『世界はお前(私)を中心に動いてるわけじゃないから』と暗に諭してくれるフーコーの振り子がお気に入りです。2019/03/18
inami
21
◉読書 ★3.5 著者がコラムを担当している、フィジックス・ワールド(国際的な雑誌)の読者アンケートにより、もっとも多く名前が挙がった美しい10の実験を紹介。よくあるタイプの主張で科学と芸術とは対立的なものとして位置づけられ、科学の成果は誰がやっても同じだが、芸術作品はそうではないというもの・・本当にそうだろうか?本書の実験と発見は、もはや芸術以外のなにものでもない。人が創造するもの、自然が生み出すものに素直に感動したいものです。どなたかが言っていたが、感動にも知識や教養が必要!さあ、感性を磨きましょう!2019/05/11
Matoka
18
図書館本。半分ほど読んだところで時間切れになってしまった。地球の重さを測ろうと考えたりすること自体がそもそもすごい。2016/11/03
spatz
16
「これまでたくさんの難しい本を読んできましたが、さすがにこれほど複雑なことを書いてある本は僕の読書人生で初めてです。所々理解できる部分もありましたが、さすがにレベルが高かったです。この本を読んだことによって、物理学って何にでも応用できるものなんだなぁと思って、結構感動しました」 中1男子、よく読みきった!えらい!2020/08/05
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