内容説明
幕末に勘定奉行や外国奉行、軍艦奉行などの要職を歴任し、遣米使節としてアメリカと通貨・為替交渉をし、横須賀製鉄所の建設や日本初の株式会社の設立、郡県制など、卓越した先見性で様々な新日本構想を描いていた小栗上野介。しかし新しい日本の姿を見ることなく、領地上州権田村で悲劇的な最期を迎える。日本の近代化を仕掛けた幕末の名奉行の功績と、その儚い運命を綴った歴史長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
BIN
7
徳川の忠臣で三河武士の典型な小栗上野介を描いた作品。大政奉還後、田舎に引っ込んだ小栗が埋蔵金を持っていったというデマが流れてたことは知らなかった。幕府にいながら、先見性があり実力もあったし、幕府に有能な人物も多くいたが、大半およびトップが腐ってたからどうしようもなかった可哀そうな人物でした。重用してくれた井伊直弼のことをよく書いていたり、妻と母に助けられてるところが良かった。2022/06/09
いずみ
6
勝てば官軍、その言葉の影で歴史に埋もれた素晴らしい人物達が沢山いる。その一人、小栗上野介。埋蔵金の人?なんて俗っぽい事しか知らなかったが、改めて読んでみたら大変興味深い人物だった。歴史に、たら、れば、はないが、小栗上野介が明治を生き抜いていたら、もっと沢山の事を成し遂げたに違いない。2015/01/26
kuni
3
幕府側は悪者と刷り込まれているのだけれど、こういう人もいたというのはなんとも驚き。新政府に参加できなかったというのはもったいない気がする。変えなければいけないという気持ちは双方に共通だったということ。2015/01/02
よっ!
1
上野国権田村への土着から話が始まり、過去に戻っていく展開。ただ、同じ内容を何回も書いていたり、その割に冗長な説教じみた解説があったりで、読んでいてあまり楽しくない。また小栗上野介の話というよりは、安政の大獄からの幕末史をダラダラと概説しているだけ。最後も小栗がなぜ処刑されたのかという所は割愛しているし、つまらなかった。童門冬二はメジャーじゃない時代を書いた方がいいな。★☆☆☆☆2015/02/04
久恒啓一
1
卓越した先見性と構想力を持ち、激動の幕末に外国奉行・勘定奉行・軍艦奉行等を歴任し、徳川幕府の存続に力を尽くした三河譜代の気骨あふれる武士・小栗上野介の物語。大隈重信が後年、「明治政府の近代化政策は、小栗忠順の模倣にすぎない」と発言したほどの人物だった。 著者は小栗の「混濁した世の中で貫く人間としての潔さと誠意」に興味を持ってこの小説を書いている。組織と人間というテーマを持つ著者の関心を引いた人物なのだろうhttp://d.hatena.ne.jp/k-hisatune/201402052014/09/30
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