内容説明
オクシタニアはフランス王家の支配下に入ったが、カタリ派は地下に潜伏し、容易には撲滅されなかった。その渦中のトゥールーズへ、エドモンが戻ってきた。冷酷な異端審問官として……。正統と異端がせみぎあうオクシタニア。やがて、異端者たちはピレネー山脈の山城モンセギュールに追いつめられていく―。エドモンとジラルダの魂は救われるのか? 西洋歴史小説の金字塔、堂々の完結。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
74
「・・・必死に懇願されるほど、人間は逃げ出したくなるものだ」。私、過去に懇願し過ぎて引かれてしまい、結局願いかなわずになった経験があります。その後何年かして、逆に懇願され過ぎた時、先述の敗因がわかりました。2025/07/26
財布にジャック
54
エドモンとジラルダの悲しい恋の行方を静かに見守りました。この下巻では、ふたりの心情が切々と語られて、その切なさに胸が締め付けられて苦しいほどでした。佐藤さんは男性作家さんなのに、ジラルダの気持ちがどうしてわかるのかなぁと不思議なくらいです。史実どおりだと火刑シーンがあるだろうとドキドキしていましたが、このお話ではリアルに綴られなくて、じつはホッとしています。ラストまで読んで、エドモンとジラルダの魂は救われたのだと信じたい気持ちで一杯です。2011/07/27
ehirano1
53
エドモンとジラルダの魂の物語。カッコ良過ぎる2人に何とも言えない溜息と心地よい疲労感。もう今はこれだけ。しばらく本読めないかも・・・・・。いやぁ、良いですね。2018/12/08
はる
14
カタリ派の考古学的な資料はほとんど存在していないようだ。しかしながら今に生きるオック語世界の中からこれだけの物語を紡ぎ出したオクシタニアは緊張感ある満足と中世の生々しさを味わうことのできる作品だと思う。既に破壊され痕跡を遺す城砦を訪ねた時、兵どもが夢の跡を感じる時間軸をこの作品で感じる事ができるかもしれない。トールゥーズの名家の若者は恋い焦がれながらも、それぞれの時代を選ぶ。意識的に選択したそれは、その時代の本流に呑み込まれ病葉のように流されてゆく。悲しいが人生なのだろう。2023/03/16
リードシクティス
13
現世での生ひいては肉体そのものをも否定するキリスト教の異端カタリ派。妻ジラルダはカタリ派に傾倒し、夫であるエドモンのもとを去った。カタリ派への復讐の念からエドモンはカトリックの異端審問官となる。やがて十字軍によりカタリ派はピレネ山脈の山城モンセギュールに追い詰められ、エドモンとジラルダは戦場で再会する。童話「青い鳥」を思い出した。求めていた天国は地上にあり、自分にとっての神はすぐ傍にあったという話だったのかな。結局人は人との結びつきなしでは生きていけない。最後はストレートなハッピーエンドでもよかった。2016/07/09
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