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内容説明
仏教とは、人が亡くなるたびにお布施を集め、墓地や駐車場を経営する宗教のことではない。世間の常識に縛られる凡夫を解放し、生きる喜びを与えてくれる宗教なのだ。今こそ、仏教の原点に立ち戻るべきでは──。本書では、元禅僧にして比較宗教学者と、“癒し”の文化人類学者が、日本仏教の再生について熱く討論。「<悟り>と<狂い>は紙一重」(町田)、「仏教は人生をリセットする教え」(上田)、「陰徳を積むという価値観を見直そう」(町田)、「“痴”と“智”の絡まりあいに救いがある」(上田)など、宗教の本質を見抜いた独自の見解をぶつけ合う。さらに、オウム事件から十年が過ぎ、日本社会と仏教のあり方を考える。それは単なる教義としてではなく、実践する仏教のあり方である。そのために、お寺を中心としたボランティアの取り組みや、家庭に仏壇を取り戻す方法なども提案。果たして日本仏教に未来はあるのか。現代人の魂に火をつける刺激的対論である。
目次
第1章 仏教は爆発だ!―宗教の本質を考える
第2章 生きる意味を取り戻す―仏教的革命とは
第3章 仏教はオウム事件を総括したか
第4章 生老病死に寄り添う
第5章 宗教は人間を自由にするのか
第6章 仏教と自己実現
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Machida Hiroshi
2
本書は、比較宗教学者である町田 宗鳳氏と文化人類学者である上田 紀行の両者による日本仏教に関する対談本です。本書はかなりエッジが効いています。すっかり葬式仏教になり、人を救うべき宗教とはかけ離れてしまった仏教のていたらくに対する二人の批判が渦巻いています。それにしても、果たして日本仏教はこのまま静かに衰退せずに立ち直ることが出来るのでしょうか。2014/04/05
seeyamada
1
仏教どうこうというよりも自己啓発本に近い。「仏教は結局のところ、自分の生きている小さな世界を飛び出せば、広大無辺な世界や可能性が存在していることに気づかせてくれる教え」とあるように、神仏を祈るだけの他力本願ではなく、自分の内部にある苦悩と向き合い、時には今までの自分の中の意味・価値をリセットする。そしてそれを繰り返して生きていくということを知る。それを手助けするのがお坊さんだけど、最近はそういう坊主も減ってきたわね、なんて言ってるけど。最初に人生の煩悩→悟り→煩悩→悟り…のループに気づいたのが仏陀なのかし2011/05/24
豪力春太
1
いい対談です。2008/02/02