内容説明
本当はことばの宝石箱なのに、ニセモンが出回っています――。「もうかりまっか」誰が言うてんのやろ。「がめつい」こんな造語はエエ迷惑。「ど根性」誤用の典型。「こてこて」本来は薄味の文化です。「まったり」大阪では主に味の意味。「きしょい」ことばのブラックホールや。……ホンマモンをこよなく愛し、ニセモンの横行氾濫を憂い悲しむ。大阪の人間まで唸ってしまう〈正調大阪ことば指南〉。
目次
1 「にせもん」編(「もうかりまっか」―誰が言うてんのやろ;「がめつい」―こんな造語はエエ迷惑;「おけいはん」―「はん」には法則があります;「どキレイ」「どうまい」―いくらCMコピーでも殺生な ほか)
2 「ほんまもん」編(「わけとくなはれ」も「おあいそなしで」も―謙虚な気持ちで;「おはようおかえり」と「よろしゅうおあがり」―祈りや感謝をこめて;「今日耳日曜」―平和主義は日頃から;「雨風食堂」で「血みどろ」―遊び心でシャレのめす ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
70
大阪弁について。大阪弁のようで大阪弁でない話、昔ながらの大阪弁、まったりという言葉やめっちゃの考察、他著者が大阪弁について語っている。でもほんまもんの大阪弁というのは無いと思うし日本語と同じでどんどん変化していくのではないか。だから講座というタイトルには少々無理があるのでは。内容は面白かったけど。2017/03/25
ネギっ子gen
63
【標準はいくつあっても良い。「にせもん」で紹介したことばも「乱れ」ではなく「ゆれ」と捉えている】「言葉の交流は悪くないが、昔ながらの大阪弁が失われ、大阪弁への理解も表面的になるのは寂しい」と考える著者が、生活に根ざした市井で育まれてきたことばを紹介する書。2006年刊。<大阪弁は広まったが、メディアから流れることばはほんの一部である。それもほとんどが大阪を拠点とする芸人から発せられる大阪弁もどきのことばであり、しかも侮蔑語・罵倒語の類のお笑い舞台用のことばである/「もっといい大阪弁があるのに……」>と。⇒2025/09/04
marsan
12
図書館本。大阪弁の知識を改めて整理するために(笑)。『大阪の本質は「こてこて」濃口どころか「あっさり」薄口にある。大阪の名物となると、お好み焼きやたこ焼きなどの粉もんを持ち出し、「こてこて」 のイメージをむやみに強調する文化人がいる。以前船場で生まれ育った方にお話をうかがった時の言葉を思い出す。「ほんまもんの大阪の人によりかかってはるお人が大阪の自慢をしはるのんです」 』が印象に残った。以前、研修(東京)でのグループミーティングで大阪を揶揄されて無茶苦茶腹が立ったことの遠因が正しくコレ。25352025/09/08
マカロニ マカロン
6
個人の感想です:B。以前いた職場は関西系の人が過半数の職場で関西弁が溢れていた。その時に思ったのは関西弁や大阪弁というが、その中でも出身地によって言葉が違うのだということ。テレビのバラエティー番組で溢れる大阪弁には「にせもん」が結構多いのだと理解した。この本ではそんな「にせもん」と「ほんまもん」が例示されていて興味深かった。私の好きな大阪弁は「ぼちぼち行こか」で、アクセントの置き方で2通りの意味、「そろそろ行こうか」と「ゆっくり行こうか」があるとのこと。アクセントの置き方で言葉の意味は変わる。「ほなね」2017/04/15
蓮
5
面白かった❗ 一気に読んでしまいました。20年くらい前からの著者の授業での取り組みや、当時まだ日常的に遣われていた大阪言葉が文中にポロッポロッと出てくるのがたまらなく愛しい。たった20年前のことだけれど、令和の会話と比べてみると言葉の髄の部分が確実に変わったことを感じます。ことばが言葉に浸潤されているという感じかな…。平板で、誰にでもわかる言葉もいいけれど気候や慣習を共有している人達にしかわからないことばが姿を消していくのは淋しい。今しゃべっている言葉の、どのくらいが生き続けられるのかな。2021/09/01
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