内容説明
ゆるゆると疾走する自転車にのった戦車。爽快自転車エッセイ。時にはあてどもなくこきこきと、ある時はがしょがしょと雪を削りながら、俺はペダルをこぐ――愛車・ナイスバイク号にまたがり、『伝染(うつ)るんです。』の人気漫画家が、主に都内近所をゆるゆると疾走する初のエッセイ集。穴場的蕎麦屋へ激走せよ! 燃えよ体脂肪! 暴虐の駐輪場! チャリ文集に、乞うご期待。(講談社文庫)
目次
ナイスバイク号の誕生
激走!穴場的蕎麦屋の彼方に
真昼の温泉蟻地獄!暗闇にひびく歌声
暴虐の凶駐輪!映画は大映
立て我が子よ!歩道のぐにゅっとした物
燃えよ体脂肪!ジブリ美術館は予約制
秋の出会い、私をニコタマから連れて逃げて!
まねき猫にまねかれたお殿様 豪徳寺
山梨県に忘れてきたノートパソコン
ガラスの膝!しのびよる軟骨の摩耗
牛の涙!他人のサドルは蜜の味
タイヤ!白昼にひびく熟女の悲鳴
キリスト!横穴に眠る家族
副都心!寒風をはねかえす汁麺補給
山本登場!オモチャ売り場で高まる物欲
ウマ年!二〇〇二年に幸あれ
麺類?俺の唯一知っている選手
トイレでの戦い!みちのくひとりチャリ
過去へのリベンジ!岡本太郎美術館へ
自転車の起源!セレリフェール型の問題点
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nemuro
56
本棚に並ぶ①『吉田自転車』②『吉田電車』③『吉田観覧車』。ずっと未読だがそろそろ読まねばなるまいと。「2007年1月15日第5刷発行」。私がブログを始めたのが2007年4月頃。なのでブログ内での検索も限界が近い。①と②は根室時代の2007年12月ジュゲムに、そして③は函館時代の2009年12月アメブロに、それぞれ投稿。奇しくもともに「札幌弘栄堂書店パセオ西店」での購入。愛車・ナイスバイク号に跨り疾走する著者の姿に、愛車・阪神虎吉号(初代及び2代目)にて円山球場・ススキノなどに出没のかつての我が身が重なる。2023/04/29
ツバメマン★こち亀読破中
32
マンガ家・吉田戦車が、画家とかベーシストなどの友達と一緒に、または一人で、自転車に乗つてどこかに行って麺類などを食べる、というエッセイ集です。家の近くにも来ていました(笑)ビックコミックオリジナルを愛読しているので「出かけ親」を欠かしませんが、何か彼の「日常」っぽい作品は良いんですよね〜!マンガもエッセイも。もっと吉田戦車を深堀りしたくなりました!この本と「吉田電車」と「吉田観覧車」で3部作っぽい。「電車」は以前に読んだので、次は「観覧車」を読みたいです!観覧車を乗りまくるのかな?2021/03/24
ミエル
32
20年前あたりの自転車エッセイ。でも、薀蓄もないし、サラっとした自転車乗りの筆者の肩の力の抜け具合がほど良い。自転車、蕎麦、酒がループする日常に和む。馴染み深い武蔵野地域、とくに京王線沿線ネタが多いのも個人的には読み易かったんだと思う。続編的なエッセイも読んでみたい。2018/12/17
kanki
26
吉田戦車さんの自転車エッセイ。電話した相手がTDLにいると腹が立つ、とか笑った2023/02/20
あんPAPA
24
あの「感染(うつ)るんです。」作者のエッセイ。連載当時は不条理漫画と云われ下手くそなタッチも相まって私には何ら共感できるところが無かった。しかしこちらの文章は至って単純明快で、お気楽・能天気な内容と同世代であることも手伝って思いの外楽しめた。「ナイス・バイク号」と名付けられた愛車に跨り、蕎麦屋やラーメン屋に行ったり、数少ないと自称している友人たちと昼酒を喰らいに行く日常の一コマをグダグダ・ゆるゆると書き連ねている。日常生活に疲れた昭和世代の息抜き程度には役立つかもしれない。私も通勤用愛車に命名してみよう。2023/01/20